ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
UP 地域の力

京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


京都障害児放課後ネットワーク


 障害のある子どもたちが、放課後や余暇をのびのび過ごせるように願って、京都府内でいくつものサークルが活動している。こうしたサークルが、互いに連携、協力しているのが京都障害児放課後ネットワーク(大橋恵美子代表)。子どもたちの居場所づくりなどに取り組んでいるが、最近は学生らのボランティアが少ないのが悩み。運営が困難になるサークルもあり、子どもたちの相手や世話をしてくれるボランティアを募っている。

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ボランティアや子どもたちが一緒に歌って交流した
(2007年2月)
学生らボランティア募る「かごフェス」で交流
 同ネットワークは昨日16日、京都市下京区のひとまち交流館京都で、「放課後元気っこフェスティバル かごフェス」を開いた。昨年初めて開催したのに続き2回目。

 このフェスティバルは、近年、障害のある子どもを取り巻く環境が障害者自立支援法の施行などで大きく変わってきているため、サークルの連携やボランティアの交流を強め、市民の理解を深めてもらおうと企画した。

 第1回の昨年は、一部で音楽演奏、合唱、二部で中島光一さんのコンサートが行われた。京都府内のサークル8団体が出演、音楽家タケカワユキヒデさんの応援メッセージも披露された。会場には障害のあるこどもや保護者、ボランティアら400人が集まり、元気いっぱいに交流した。開催後、出演した中高生ボランティアの創作曲「想い」をCDにして発売もしている。

 同ネットワークが設立されたのは2001年。02年4月から学校の完全週5日制が導入されることになって、障害のある子どもの保護者や先生らの間に不安が広がった。子どもたちは、放課後や休日、夏休みなどの長期休暇に、ボランティアを中心としたサークルで、仲間と遊んだり、さまざまな活動をして過ごしている。しかし、休みが増えると、外で遊ぶ機会が失われたり、自宅に閉じこもることになりかねない。そこで、府内のサークルが情報交換するなど助け合おうと、ネットワークを作った。

 当初は保護者やボランティアを対象に学習会を開いたりしていたが、大きな活動として取り組んだのが障害のある子どもたちの放課後・休日の実態調査。673世帯にアンケート調査、100世帯に聞き取り調査をしてそれをまとめ、04年に「障害児の放課後白書」として発刊した。障害のある子どもや親の放課後・休みの実態が明らかなり、行政などの反響が大きかったという。

 来年も3回目の「かごフェス」を予定するなど、子どもたちやボランティア、保護者らの交流を活動の中心に据えているが、事務局長の津村恵子さんは「子どもの相手をしてくれる学生ボランティアや地域の人たちが少なくなって、活動が困難なサークルもある。子どもたちが豊かに育つために、多くの人たちにぜひ応援していただきたい」と、高校生、大学生や、地域の主婦、高齢者らにボランティア活動への参加を呼び掛けている。


<メモ>京都障害児放課後ネットワーク 
京都市上京区主税町1100―2 
京都福祉保育総合センター 京都学童保育連絡協議会内 TEL075(821)0700