ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
UP 地域の力

京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


働きたいおんなたちのネットワーク


 子育てで忙しいけれど、もう一度仕事にチャレンジしたい、という女性が増えている。そうした子育て期の女性を支援しているのがNPO法人(特定非営利活動法人)「働きたいおんなたちのネットワーク」(宇治市、吉田秀子理事長)。女性が持っている資格や働く意欲を、親子の居場所づくり、ショップ開設など多彩な事業に結びつけ、コーディネーターとして存在感を発揮している。

写真
働きたいおんなたちのネットワークが運営する「まきしまMove」では、親子がもちつきも楽しんだ(2008年1月)
子育て中の就労支援 起業、居場所づくりに力
 宇治市のJR宇治駅前にある宇治橋通り商店街。毎月19日になると、同商店街内の京都文教大サテライトキャンパスに「宇治橋っ子19ひろば」が開設される。ここでは、親が買い物中に子どもを1時間無料で預かる。子どもの相手をするのは、「働きたいおんなたちのネットワーク」がキッズサポーターと呼ぶ女性。この女性たちも子育て中で、就労支援にもなっている。「ひろば」には商店街も協力、会場提供の京都文教大、同ネットワークの三者が連携して、子育てにやさしい町づくりに取り組んでいる。

 同ネットワークは、理事長の吉田さんと副理事長の切明友子さんが中心になって、2000年に設立した。これまでに培った経験や技術、資格を生かして、自分らしく働きたいという子育て中の女性を手助けしようという考えからだった。

 03年には宇治橋通り商店街内に、買い物中の親をサポートする親子広場「つむぎ」を設け、05年にはその広場に子育て中の女性が制作した小物などを販売するチャレンジショップを併設した。また、宇治市槇島で、子育て中の親と子(零歳―3歳児)の居場所としての宇治市つどいの広場「まきしまMove」を運営している。

 このほか平和堂100BAN店内(宇治市)に女性の起業を支援する「チャレンジショップ」も開いている。同ショップは子供服や手提げ袋など主婦の手作り雑貨を販売。毎日、主婦店長が交代で自分の品を並べて売るのが特徴。ここから独立して自分の店を開店した女性もいるという。

 「女性が持っている、カフェを開きたい、店を持ちたい、子どものサポーターをしたいなどという夢を応援している。再チャレンジに必要なのは、その人にしかないものがあることとやる気」と、吉田さんは指摘する。こうした実績が認められ、同ネットワークの活動は京都府の「KYOのあけぼの賞」、内閣府の「女性の再チャレンジ支援賞」も受賞している。

 昨年9月には、女性起業家の育成をめざす京都府女性のチャレンジオフィス(宇治)を開設、現在5人が「食育ダイエットネット」「若者の居場所とカフェ」「子育てを楽しむ会」などの事業を準備している。

 女性の力を引き出して、さまざまな形にしている同ネットワークだが、吉田さんは「子育て中の女性だけでなく、ハンディのある若者グループなどとも連携して、居場所や就業支援するための拠点を構えたい」と精力的に活動を広げている。


<メモ>働きたいおんなたちのネットワーク
宇治市宇治妙楽155ノ5 TEL.0774(23)5390