京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
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●UP 地域の力
京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や 宅老所「いきいきサロンほのぼの」
民家を改修したサロンへようこそ。彦根市が設ける宅老所の一つ、「いきいきサロンほのぼの」は、彦根城の北すそ、琵琶湖岸に近い住宅街の一角に設けられている。周辺のお年寄りたちに、ぬくもりのある居所を設営し、気楽に過ごしてもらおうと、地域のボランティアたちが、週3回のサロンを運営している。「サロンへ出かけるのが生活の決まりになって、楽しいことです」と、高齢者に生きがいをはぐくんでいる。
同サロンは、民家の八畳三間を主とし、台所、浴室、トイレなどを完備。お年寄りには、なじみやすい和風の作り。
利用時間は毎週、火、木、土の3日、ともに午前10時から午後4時まで。料金は昼食とおやつ付きで一日1000円。年会費が1000円。 スタッフは中川敏郎代表(60)らボランティアが10人。サロン開催日に、そのうち4、5人が出てきて、送迎から料理、ゲームの相手など一切を運営している。 利用者は65歳以上とし、このところの利用者は近辺から10人から15、6人ほど。80代が主で、90代まで交じっている。利用者の中には農家の人もあり、季節ごとにジャガイモ、タマネギ、ダイコンや豆類など野菜類の差し入れの多いのが特色。昼食の素材を新鮮に、また豊かにしている。調理担当の中川さんの奥さん敦美さんが、さまざまに献立を工夫している。 通常は、午前中はそれぞれ話題提供とともにおしゃべり、ゲームや、歌謡などですごし、午後はパターゴルフや散歩、おやつ作りなど。季節によって外出を試み、初詣でや花見、紅葉見物などを催している。また利用者は介護保険の適用を受けていない元気な人が多いので、おやつ作りは、日ごろ培った腕をそれぞれが発揮。たとえば、おはぎ作りでは飯米のこね具合から大きさの指定やあんののせ方まで、わいわい、生きいきはつらつとした活躍ぶり。利用者の角田きみゑさん(88)は彦根を中心に人気がある盤上遊戯カロムのシニアの部の今年の全国大会準優勝という強豪。「昼ご飯が一番の楽しみです。手作りで、冷凍食品を一切使わず、おいしいですよ」と目を細める。また片上末野さん(88)は「ここへ来ると、顔なじみのみんなの顔が見えて、にぎやかに一日が過ごせます」という。最年長の落合秀さん(91)は「一人暮らしなので、ここへ来てると、みんなに支えてもらい、元気になれ、喜んでいます」と、サロンを歓迎している。 中川さんは「勤め先の定年を控えて、自分を含めて高齢者の適当な居場所つくりが必要と思い、地域の人たちとともに立ち上げましたが、幸い利用者が多く、歓迎されています」と語る。スタッフの1人、宇野たず子さん(72)は「昼間のお年寄りは、家でぽつんと1人、テレビを見てることになりがちですが、ここでは昔なじみとおしゃべりしたり、歌ったり、楽しめます」と交流の場を確かめている。
<メモ>いきいきサロンほのぼの
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