ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
UP 地域の力

京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


特定非営利活動法人 パソフレ


 パソコンを使って趣味を広げ、やりがいを見いだす。その手助けをするのが、滋賀県湖南市を本拠とする特定非営利活動法人(NPO法人)パソフレだ。2002年、旧甲西町で催された「ITリーダー講習会」の受講者たちが集まって、活動を始め、2年前には、NPO認証を受けている。地域のパソコン講習会はじめボランティア活動への支援、サークル活動の手助けなど、IT時代を推進している。

写真
大型スクリーンでパソコン操作手順を説明しながら展開するパソフレの講習会
パソコン通じ生きがい 講習で地域交流も推進

 同IT講習会には30人が参加したが、終了後、数人が仲間作りをし、03年にITグループ「パソフレ」が発足。現在の会員は湖南市を中心にして25人。女性が多く、年齢は40代から80歳までと幅広い。

 パソコン初心者や未経験者にパソコンの使い方や楽しみ方を身につけることを手助けする―と目的を掲げ、事業としてパソコン講習などでの指導、助言とともに地域コミュニケーションづくりへの啓発につとめるとしている。

 この1年の主な活動では、パソコン講習会・講座を年間20回開催したのをはじめ、サークルなどへの講師派遣が月間約10件、パソコン相談会を月2回、また市民交流と話し合いの場ともなるITサロンも月1回開いている。

 さらに随時、ボランティア活動を推進してもいる。サークル活動する団体を対象にパソコンの活用相談会を3年前から月2回催している。毎回、数人が参加しており、活動報告のまとめなどにパソコン活用が歓迎されている。また、高齢者向けに「安心安全カード」作成の出前講習が好評。万一の場合に備えて、各人の名前、住所、かかりつけの病院、血液型や緊急連絡先などの情報をパソコンに打ち込み、それをカード化し、身につけられるように仕上げる。高齢者グループなどの要望により、随時、同会員が出かけている。さらには今年からシルバー向けのパソコン教室も開設。孫の写真を採り入れたカレンダー作りなどのメニューを工夫している。

 受講生の1人は「いろいろ仕事上で役に立っています。NPOなので、料金も格安で手軽に利用しやすい上に、ていねいに教えてもらい、パソコンの操作力が付いてきました」と実際的な効果を喜んでいる。

 一方、NPO理事の1人は「主婦なので家で本を見て学んでいたんですが、この会に入ってパソコンについて深く分かるようになり、仲間とともに楽しく時を過ごせます」と、新たな生きがいを見いだしている。

 理事長の谷八寿男さん(62)は、パソコン製造企業を3年前に退職。「なにか世の中に役立つことができたら、とこの会の活動に参加しました。いざ、教えるということは大変で、自分の勉強になります。幸いにも講座などに多くの方々が参加され、喜んでいただいています。それが私たちの活動の励みになっています」と語っている。

<メモ>特定非営利活動法人パソフレ
湖南市下田1455 谷八寿男さん方 TEL.0748(75)0063