ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
UP 地域の力

京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


滋賀県福祉レクリエーション・ネットワーク「この指・とまれ」


 「人が好き。笑顔が好き。レクが大好き」―。滋賀県福祉レクリエーション・ネットワーク「この指・とまれ」は、そんな仲間が集まっている。レクリエーションを福祉活動に役立てようと、13年前に発足。県内全域に会員が散らばりながらも、ネットワークを形成している。この間に、福祉レクリエーションの人材養成のワークショップや、関係グループの交流などの事業を継続している。

写真
お盆をテーマにした
「この指・とまれ」のレクリエーション活動
元気な笑顔にやりがい 人材育成や交流に力

 福祉のネットワーク作りの呼びかけとともに、県内の高齢、障害、児童、地域など福祉分野の関係者12人が集まって、この会が設立された。現在の会員は約50人に増えている。20歳代から65歳まで幅広い層にわたり、男女別では女性が過半数を占めている。

 例年、福祉施設、福祉系大学生、地域のボランティアなどを対象として「ワークショップ」を開催している。昨年度は計4回で、毎回、会員が講師となり、主に実践的な実技指導を行っている。参加者は約20人から40人弱。

 また「ダべリング交流会」を6年前から年1回、県内各地で開き、福祉活動を携わる人たちが集まり、互いの情報交換とともに親睦(ぼく)をはかる機会をつくっている。

 さらに全国福祉レクリエーション・ネットワークに加盟していることから、その近畿ブロックセミナーを県内で開いてもいる。

 同時に独自で福祉施設などでレクリエーション活動を実践。たとえば県立老人ホーム安土荘(安土町)を定例的に訪問している。夏場の会では、お年寄りたちになじみの深いお盆の催しをテーマにした余興を工夫する。クラフト細工のお墓に来場の人たちが、花や線香をささげ、手を合わせる。ついで法事のごちそうのメニューを写真コピーで次々に提供するゲームでは「もう、こんなたくさん食べられないわ」と、活気に満ちた会話が盛り上がり、心からの和みをもたらしていた。

 会員の徳田京子さんは「3年前に福祉レクリエーション・ワーカーの資格を得て、地元の愛荘町で介護保険の適用されない人たちのデイサービスで、レクリエーションを活用しています。健康維持とともに第二の社交場になれば、と願っています」と話す。

 事務局担当の森嶋裕子さんは、仕事のかたわらボランティアを続けている。「私は折り紙、クラフト、手遊びなどを主にしています。このレクリエーションを利用される方々が笑顔になられ、元気になられる姿を見る時、最もやりがいを感じます」と手応えを語る。

 代表の松藤弥一郎さん(55)は大学生時代にレクリエーション活動を始めたというベテラン。当初は健常者向けだったが、福祉レクリエーションを学んで13年前、この会の設立に加わった。「最近は地域の高齢者サロンからの問い合わせや相談が増え、そこへリーダー派遣もしています。長年、やっていますが、レクリエーションの懐は深い。一層、精進したいものです」と話している。

<メモ>滋賀県福祉レクリエーション・ネットワーク「この指・とまれ」
滋賀県愛知郡愛荘町栗田476、松藤さん方 TEL.0749(37)2611