ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
UP 地域の力

京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


園芸ボランティア 四季の花


 滋賀県湖南市の園芸ボランティア「四季の花」は、花いっぱいの町づくりを、と四季を通して、地域活動に励んでいる。公民館や福祉施設など公共の建物の周辺を花で飾り、手入れを欠かさない。花を見て、心を和ませてもらえれば、というボランティアの願いが、町中のあちこちに行き渡り始めている。花を通じた住民同士の新たな和みの交流が、進められている。

写真
グループの畑を耕す「四季の花」の会員たち
草花を介して地域交流 苗を配って町に彩り

 3年前、湖南市ボランティアセンターふれあいで「園芸教室」が開催された。その受講者を中心にして、翌年春、「四季の花」が結成された。当初の会員は18人だったが、現在、26人に増えている。

 園芸教室の講師を務めたのが同市菩提寺に住む永田一さん(70)。40年ほど前からガーデニングに力を注いできたベテラン。約660平方メートルの敷地の自宅の庭は、一般に公開されていて、春秋の時季には、県内外から月間500人が観賞に訪れるほど。その永田さんの指導により同グループは草花の種まきから苗の栽培、移植から手入れまで一貫した園芸手法を採用している。

 同会は名前の通りに四季を通しての花を目標としている。そこで主な品種として、春のパンジー、夏のマリーゴールド、ベゴニア、秋冬の葉ボタンという一年草を扱っている。郊外に約1千平方メートルの畑を借り、苗の栽培やプランターへの移植などを行っている。

 苗を植えたプランターや鉢は湖南市役所をはじめ市保健センター、市社会福祉協議会、グループホームなど10カ所ほどに設置されている。会員は地域ごとに4班に分かれ、それぞれの担当地域の草花を世話している。また、第2期園芸教室も最近続いて開かれており、同グループの仲間を増やしている。

 毎月1回、例会を開いている。これは畑地での作業などに当て、畑の草引き、耕起から苗の育成や施肥など独自で栽培している。この苗を各地のプランターへ移植している。例会の作業とともに会員同士で情報交換し、にぎやかで、和やかな交流ぶりだ。

 世話役の女性は「土作りから花の育て方を一から教えてもらい、今では家の庭中が花いっぱいになりました。それに会を通じて、多くの人と知りあえて、珍しい品種や挿し木を試みるなど、会員同士で、いい刺激になっています」と、話している。

 もう1人の世話役の女性は「自分で作る苗がたくさんできるので、友達や知人へあげたりして、花を通じての交友が広がっています。花を見て、不快になる人はないでしょう。町が花いっぱいになって、心豊かな気持ちになれたら」とボランティアに思いを託している。

 永田一代表は「四季の花を介して、第一に会員の家に花が増えています。さらに近所にまでおすそ分けされるなど、園芸を通じて地域の人たちのつながりが、次第に広がってきているようです」と、その意義を感じている。

<メモ>園芸ボランティア「四季の花」
湖南市ボランティアセンターふれあい内 TEL.0748(77)6001