京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
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●UP 地域の力
京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や ドラえもん劇団
根強い人気を保つアニメ「ドラえもん」にあやかる「ドラえもん劇団」が、守山市を本拠として活発に活動している。9年前、小津学区の催しの際、急きょ設立された1回限りの劇団が、みんなに親しまれる「ドラえもん」を演じたのが好評を博し、「次の舞台を」の声とともに今秋に、公演計63回に達するロングラン。「地域に輝く太陽へ」―劇団の意気込みは熱いばかりだ。
創設に参加したのは、学区内の有志だけだから、台本から面や衣装、背景まで一切が手作り。その分、プロの仕立てとは違った、飾らない親しみがおのずとわいてくる。
劇団員は現在、19人。熟年世代を中心とし、最高齢が85歳。男性は2人だけで、あとは女性という構成。ドラえもん、ドラミちゃんと2体の着ぐるみを主役とし、仮面をつけたのび太、スネ夫、しずかちゃん、ジャイアンなど、おなじみの陣容。 これまで守山市はじめ、野洲、草津市などに出演しており、保育園、小学校、守山市福祉センター、地域の老人会などの要望により出演している。出し物は、子ども向きで、老若が力を合わせることをテーマにした「大きなかぶ」などのほか、お年寄り向きに時代劇も持っている。これはドラえもんの「水戸黄門」役が助さん格さんを引き連れながら、長寿を祝う物語。各一幕は15分から20分程度。 お呼びが掛かると、事前に練習が始まる。本読みから舞台げいこ、音合わせなどに励む。演出の阿迦井知世子さんが、各シーンごとに駄目出ししながら、全員の和気あいあいのチームワークとともに、ドラマの呼吸を合わせていく。 テレビ番組を参考としながらも、舞台上でよりリアルに栄えるように工夫しているが、「自然体で、無理のないのを基本としています。それに、子どもたちが劇の中で、電車に乗ったりするなど伸び伸びと参加してくれる参加型なんです」と団員たちは劇団の特色を語っている。 団員たちは、それぞれに多忙で、出演者が固定できないのが現状で、「みんなが俳優、声優や音声係まで、一人何役も掛け持ちしています。それぞれ責任を持って、楽しみながらやってますが、みんな器用になって、毎回違った仕上がりになります」と阿迦井さんは、演出面の推移を話している。 終演すると、着ぐるみのドラえもんたちは、子どもたちに囲まれ、握手を求められたり、「いっしょに帰ろう」と誘われるなど、絶大な人気ぶりという。 この活躍ぶりが認められて、4年前、草津市内で催された「全国ボランティア・フェスティバル」の滋賀県代表として出場してもいる。 代表の斎藤洋子さんは「ずぶの素人ばかしで、指導者もいません。それでも、みんなで話し合って運営してきました。いざ舞台に立つと、見る人たちに喜んでもらい、元気をもらっています」と、9年の歩みを振り返っている。
<メモ>ドラえもん劇団
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