ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
UP 地域の力

京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


車椅子レクダンス普及会守山支部


 車いすのお年寄りとボランティアの人たちが、音楽に合わせて和気あいあいのダンス。車椅子(いす)レクダンス普及会守山支部、「矢車草の会」は、7年前、滋賀県守山に設立されている。会員同士、和やかなチームワークを築きながら、高齢者介護施設への定例訪問はじめ地元の小中高校での車いす体験学習の指導や、さまざまな催しへの参加など、地道な地域活動を続けている。

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お年寄りと手を取り合って車いすダンスを
ともに楽しむ会員たち(守山市・ゆいの里で)
踊る喜び分かち合う リズムに乗り回転、ステップ

 会員たちの活動の際は、黄色のそろいのTシャツ姿に決まっている。月例で訪れる守山市内の介護老人福祉施設「ゆいの里」のロビーには車いすを使ったお年寄りたちが次々に集まってくる。「お元気ですか?」と会員たちは顔なじみの人たちとあいさつを交わす。次いで音楽が流れると、会員は車いすの人とペアを組んで、踊り出す。お年寄りたちは健常者のように足を動かせないが、リズムに合わせて上半身や腕を動かす。同時にボランティアの手助けにより、車いすが前後に動いたり、回転したり、ステップを刻んでいく。

 一同は音楽に合わせて歌ったり、手拍子をとりあい、ダンスとともにお年寄りたちの表情がしだいに和み、喜びの色あいがわき上がってくる。会員たちは車いすを操作しながら、歌いかけ、手を取り合うなど約1時間、動きづめで、汗だくになってしまう。

 現在、会員は15人。50歳代から70歳代と熟年世代がそろう。大半が講習を受講し、車いすレクダンスのインストラクターの資格保持者。その中で毎週1回の練習により、曲に合わせたステップや新曲の振り付けを学んでいる。

 学校での福祉実習では、車いすの試乗など扱い方の初歩から手ほどきし、最後に車いすフォークダンスの体験学習まで行っている。また同市社会福祉協議会の「生活支援ボランティア養成講座」に参加し、その講師役を担当。さらには毎年、全国大会へ出場し、今秋は初開催の車椅子レクダンス日韓交流大会へ代表3人が参加するなど活発な活動ぶりだ。

 入会して1年の山川まきこさんは「車いすの操作にやっと慣れてきて、独特なダンスの楽しみを感じています」と話す。

 会員の中には社交ダンスの経験者がかなり多い。前支部長の駒田忠雄さん、幸子さん夫妻はダンスの会で車いすでの参加者に出会ったのがきっかけとなり、この会の設立に加わっている。「健常者のダンスとは違って、このダンスでは相手の人に楽しんでもらうのが目的です。みなさんに喜んでもらえると、私たちの感動と喜びになります」とは、ご夫婦そろっての体験談。

 小西久雄支部長も社交ダンスの経験者で、興味を覚えてレクダンスの講習会をのぞきに行ったのがボランティアへの第一歩となった。「最初は人を乗せて車いすを動かすことがむずかしくて、たいへんでした。この会の特徴は、チームワークがよくて、活発に活動していることです」と順調な歩みを振り返っている。

<メモ>車椅子レクダンス普及会守山支部
守山市守山3ノ1ノ3、小西さん方 TEL.077(583)1840