ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
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京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
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色のアトリエ


 自由に色を使って、なにか作ってみる。できあがってみると、楽しい気持ちを覚えることはないでしょうか? アートセラピー・ボランティアグループ「色のアトリエ」(京都市)は、そんなメッセージを発信している。子育て中の母親や親子一緒でも参加できるカラーワークショップや出張イベントを設けるほか、企画や講演会などを催している。数少ないアート系ボランティアとして注目されている。

豊かな心気付くヒントに“色”使い楽しいアート

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親子ともどもに思い思いの素材を選びながらの創作作業ぶり
 2003年、山科区で「子どものアトリエ」を開いている原映子さんら色彩心理学を学んだ仲間数人が集まり、地域の小学校からの依頼をきっかけにして活動を始めた。当初は手探り状態だったが、さまざまな素材と手法とともに、あれこれ工夫し、試行錯誤を重ねてきた。

 この間、06年の催しの際、新たなスタッフを募集し、現在の会員6人に落ち着いた。この中にはカラーセラピストはじめウェブデザイナー、編集者、経理に明るい事務職(アートセラピスト)など人材がそろっている。「それぞれ役割を分担し、自然な協力関係ができていて、いい感じ」と、チームワークは上々。

 最近では、カラーワークショップを年間2、3回催すとともにボランティア祭への出展、さらには講演会を開いたりしている。ワークショップは、「粘土で遊ぼう」「大きな絵を描こう」などとテーマを設けながら、多彩な素材、画材が準備される。色紙、色えんぴつ、カラーテープ、アルミホイルなど。それぞれ色も形も違い、また触感も異なる。参加する人が好きなように、さまざまに選べる場が設営されている。

 これまでの催しは1回きりの形だったが、今年1月から3月まで、初めて親子3回シリーズを開いた。参加者は親子別々に、あるいは2人での共同創作など多様に体験。「できあがった作品は、一人一人違っていて、とてもすばらしかった」とスタッフは全作品を撮影して絵はがきも作っている。

 その参加者へのアンケート結果では、「おもしろかった」と多くは好感されている。「作品をリビングに飾り、次にはこんな風に作りたいなどと親子で話している」「一緒に遊ぼうではなく、気持ちの奥にあるものを見つけてくれる」といった感想が戻っている。

 「親子の関係で新しい面を見いだしたり、ふり返ったり、豊かな気持ちや意識に気付くヒントに出合えれば、幸いなんです」とスタッフの一人西田眞紀さん(カラーセラピスト)は趣旨の一端を説明する。次いで奥出惠子さん(ウェブデザイナー)は「ここでは、なにを描いても作っても自由なので、型にはめられずに癒やされます。楽しく幸せな気持ちで帰れますよ」と推奨する。

 代表の原さんは「この会が、どんなことをしてるのか、次第に認められるようになってきています。子どもや親子のグループのもとへ出かける催しなど、一層活動を進めようと思っています」と意欲を示している。

<メモ>色のアトリエ
京都市山科区椥辻池尻町70ノ5 原さん方 TEL.075(502)1741