ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
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京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


ほっこりひろば


 子育て世代が多い大津市瀬田地区に先月から新しい子育て支援の「ほっこりひろば」が開設された。NPO法人(特定非営利活動法人)CASNなど市民団体、龍谷大学、大津市、それに大型ショッピングセンター・フォレオ大津一里山の四者が連携するユニークな方式が採用された。施設の設営、人材スタッフ、遊具の装備などのノウハウからボランティアの育成まで、四者がそれぞれ分担し、地域に待望の支援施設が歩み出している。

母親ら触れあいの場に 子育て支援 大学など連携

写真
大型ショッピングセンター内に
子育て支援施設の開設準備をする会員たち
 大津市瀬田東部地域は、近年、京阪神のベッドタウンとしてマンション、新興住宅街など開発が進んだところ。若い世代が多いため、現在、同市の乳幼児の25%が集中。それに比して乳幼児向けの支援施設が少なく、また子育て中の家族や母親たちが交流、触れあう場も乏しいという。

 「ほっこりひろば」は先月中旬から、昨秋オープンした同ショッピングセンターのコミュニティールーム(86平方メートル)を利用し、水、木曜の週2回、開設されている。午前10時15分から午後1時15分。登録制で、年間利用費は大津市内の人は100円、市外は500円、登録者は既に200人を超えている。

 対応スタッフは毎回3、4人。CASN会員のほか、子育て支援活動グループ「まーめのお部屋」の会員と大津市子育て総合支援センターゆめっこ(浜大津)のスタッフが加わり、その上、龍谷大地域福祉学科の学生がボランティアとして手助けする。

 メニューとしては親子リズム、読み聞かせ、ふれあい体操、ベビーマッサージ、わらべ歌などを準備し、ゆめっこ貸与の遊具も活用される。

 開設当初から利用者は母子20組を超え、登録者が相次いだという。「地域での要望、ニーズが、やはり強かったことが分かりました」と谷口久美子代表は、手応え十分。

 また「まーめのお部屋」から参加する松村雅子さんは保育士経歴30年というベテランで、同市内各地で子育てを支援中。「赤ちゃんも、また子育て中のおかあさんたちも集う場が少ない。室内で安心して、母親同士が触れあい、情報交換することも大事です。ここへ集うのが日課になるように支援していきたい」と力がこもる。

 ゆめっこのスタッフは「浜大津のセンターのほかに支所での巡回支援を行っていますが、常設ルームへの支援は新しいやり方です」と協力の姿勢。

 一方、企業側は「子ども連れの方の来店が多いのが特徴ですので、施設の活用はもちろんボランティアのみなさんと協力しながら、地域コミュニティーとともに発展していきたい」(加藤修二・同店施設オフィスマネジャー)という構え。

 谷口久美子代表は「場所の提供も、スタッフも、学生さんもみんなボランティアです。身近なところで家族みんなが、ほっこりできる場になるように、育てていきたいです。そして、ともに力を合わせて、工夫しながら、市民活動の新しいスタイルを作っていけたら」と意欲を示している。

<メモ>ほっこりひろば
連絡先、Eメールinfo@casn.org TEL077(532)9650