ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
UP 地域の力

京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


インホープ


 京都市を主にして不登校の子どもたちを支援する特定非営利活動法人インホープは民間4団体と連携し、今月から京都市などを対象として「初期型ひきこもり相談窓口」を開設した。これまでFMラジオを介したコミュニケーション活動や講演会などに力を注いできたインホープだが、今回の相談活動とともに中学校での支援についてアンケートや聞き取り調査などを計画、活動を充実させている。

「初期型」相談窓口を開設 ひきこもり支援を充実

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新規開設の初期型ひきこもり相談の
資料を整える会員たち
 現在、会員は本郷弘代表ら約20人。30歳代から50歳代が中心で、さまざまな職種の人たちが集まっている。

 インホープは、不登校の児童のコミュニケーション活動を支援し、こどもたちが親とともに生き生きと暮らせる環境づくり、という目的を掲げている。2003年に特定非営利活動法人を設立。FMメディアを通したコミュニケーションのための番組制作をはじめ不登校児童の学習支援や相談、また環境などについての講演会開催、親子合宿、自然と親しむイベント開催などの活動をしている。

 ラジオ放送は京都コミュニティ放送のFMで毎週1回、昨年度は30分番組計42回を放送。2人ペアのパーソナリティー4組を中心に、情報や話題を提供。ゲストにはガムラン音楽奏者や福祉ボランティア活動者、翻訳家、絵画教室のインストラクターなど地域で文化活動する多彩な人を招き、伸びやかなメッセージを発信した。番組はインターネットラジオで、継続して受信できるという。

 新設の「初期型ひきこもり相談」の受付電話は京都市福祉ボランティアセンター(下京区)TEL075(354)8735。受け付けのあと、ひきこもりのさまざまな状況に適切に対応できる民間の活動4団体と連携し、実際の相談に乗っていくという。なお、昨年から京都府は青少年課内に「チーム絆」=TEL075(414)4303=を一足先に発足。府内を中心として相談事業に入っている。

 一方、インホープで新規に常勤職員となった梅原寛之さんを中心にして市内の中学校での不登校支援についての聞き取り調査やアンケート実施を計画。不登校の生徒への支援が、中学卒業の後、とだえがちになることから、これらの調査を教育機関と民間支援との連携に役立てたいとしている。梅原さん自身、高校時代から十年余りひきこもった体験者で「ピアサポーターとして身近で、親身な相談ができたら」と話している。

 前代表のミネマツシゲホさんは「地域でさまざまな分野で、実際に活動している人たちと協同して制作するFM番組は、子どもたちへのメッセージを豊かに伝えています。同時に教育現場を支援する力になっていると思っています」とメディアの手応えを話す。次いで「ひきこもりは、期間が長引くと、深刻化することもありがちなので、今回始めた初期型相談をぜひ利用してもらいたいものです。気軽に仲間にいろいろ話してみたらどうだろうか」と勧めている。

<メモ>特定非営利活動法人インホープ
京都市下京区朱雀正会町28の2の30 TEL075(352)0557