京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
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●UP 地域の力
京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や わいわい絵画教室
休日に障害児・者が絵を描いたり、工作を楽しんだりする大津市の「わいわい絵画教室」が、開設から1年半、余暇の過ごし方を支援する事業の一つとして注目されている。現在、市内3カ所で開き、参加者同士の交流が進むとともに、できあがった作品による個展の開催やはがきセットの制作、さらには今秋の教室の増設計画まで持ち上がり、話題を広げている。
大津市障害児者を支える人の会が、以前、市内におの浜の市立障害者福祉センターで開いていた「わいわいルーム」を継承したのが「わいわい絵画教室」。現在、同センターのほか滋賀大学付属特別支援学校の「虹の家」(際川3丁目)、堅田市民センターの3カ所で、各月1回、中学生以上の障害のある人が参加している。原則は自主通所だが、難しい場合は保護者が送迎している。
講師の竹内由里子さんのほか登録ボランティアが運営している。各回、出席状況に応じてボランティアの人たちが分担している。 福祉センターでの絵画教室をのぞいてみると、合わせ机の前に参加者が集まり、わいわいと話し合いながら、画用紙にカラーペンや絵の具で色を塗ったり、形を整えたり。和やかにのびのびと楽しんでいる。周囲の黒板、窓にはできあがった絵が飾られ、旅の思い出や風景、あるいはアニメのキャラクターまで、多彩なテーマに及んでいる。 中には、長年外出ができず、家族とかかりつけの医師以外の人と話したことのなかった女性が、新たな居場所を見いだし、愛犬の絵を描いたりしている。 その女性の母親は「10年以上、どこにも出かけられなかったのに、ここへ来るのが楽しみになり、いろんな人と顔合わせし、人と接する貴重な機会になっています」と教室の成果を歓迎している。 参加者各人の作品が7点まとまると、近くの福祉施設の一角を借りて個展も開いている。「次はぼくの番」と目標ができ、制作意欲が強くなっているという。また作品を集めたはがきセットの制作へ踏みだしてもいる。 一方、ボランティアの大学生、福田一代さんは「絵画を中心にしたボランティアは初めてですが、一人一人、個性が豊かで、絵の楽しさを感じさせられます」と目を見はっている。また福祉施設のパート職員、西崎友美さんは「絵が好きなこともあって、ボランティアに加わったんですが、絵を通じて互いの気持ちが通じ合うと感じられます。次回もきてみたいなーと思われるように努めています」と共感を大事にしている。 竹内さんは日本画を学んだあと、子どもに障害児が生まれたことをきっかけに再び勉強。数年前から自宅で療育的な個別対応の絵画教室を設け、「わいわい教室」は、グループでの試み。「絵を教えるのではなく、手本がなくても、自由に描けるようにしています。好きなことで個性を伸ばし、喜んで来てもらい、一緒に楽しんでいけたら」と話している。 <メモ>わいわい絵画教室 連絡先=大津市大平2の17の5 竹内さん TEL077(537)5192
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