ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
UP 地域の力

京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


安朱ボランティア委員会


 京都市山科区安朱学区は、JR山科駅周辺に広がっている。一帯のゆるやか丘陵には、駅前の商業地、山側の住宅街が混じり合う。その地域の福祉活動を手助けしようと、安朱ボランティア委員会が設立されて4年。熟年世代を中心にして約40人が、息のあったチームワークを発揮し、地についた活動を継続、「すこやか会」との愛称で親しまれ、高齢者の福祉へ力を注いでいる。

高齢者に笑顔と安心を 茶話会や困りごと相談

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誕生日を迎えた人たちを祝う安朱すこやか会
 安朱学区社会福祉協議会は、地域内でさまざまな福祉の活動、催しを行っているが、それぞれの現場で働く人が手薄だったので、そこをカバーするためボランティアを募り、委員会が結成された。

 以後、学区内の敬老会や茶話会など高齢者向けの催しを主に手助けしている。メーンの事業は月1回の「安朱すこやか会」。安朱学区自治会館にお年寄りたちが集まり、午前11時から午後2時半まで、昼食とお茶の時間をはさみながら、さまざまな余興や趣味の手ほどきやおしゃべりなどで半日を過ごす。

 今月初めの会をのぞいてみると、参加者は会館の広間にびっしりと約30人。この日のメニューは午前中がオルゴール・コンサート。いろんなオルゴールの調べに合わせて歌って楽しむ。昼食の弁当には会員が手づくりしたすまし汁をあしらう。午後は誕生会、木工、次いでボランティアの自家製ケーキによる茶話会。誕生日を迎えて花束を贈られた人たちへ、参加者たちの拍手や声援が飛びかう。また、お互いのおしゃべりが途絶えず、にぎやかに和んでいる。

 一方、ボランティアたちは、食事やお茶のサービスなど、こまごまと世話をし、話し相手になり、木工の手伝いまで、行き届いた心配りだ。お年寄りの1人は「この会が、毎月、いつ開かれるのやろか、と心待ちにしています。顔見知りの人たちに会って、あれこれおしゃべりすると、気が晴れた1日になります」と喜んでいる。

 同委員会はその他、昨年から「もしもしコール」という事業を開設。毎月1回、電話で、身近な困りごとの相談を受け、ボランティアが手分けして解決に努める。庭木の剪定(せんてい)や家具の移動、話し相手の希望などの相談が寄せられている。

 さらに敬老会の手伝いや年1回、近郊の行楽地へのバス遠足や毎月の会報発行なども手がけている。

 同委員会の太田八十一副会長は「学区内では独居の方とともに、昼間、独りぼっちというお年寄りも増えています。ボランティアの活動によって、孤立した人たちを減らし、安心で楽しく暮らせる地域を目指しています」と話している。

 ついで佐溝喬会長は「ボランティアもお年寄りも、みんなで話しあい、食事をともにして、友だちみたいなもんです。スタッフが参加する人たちを退屈させないよう、相談の上、あれこれ工夫してくれています。これから独居の方の家庭訪問や買い物の介助など、だれでもできる身近な支援をしていきたい」と、期している。

<メモ>特定安朱ボランティア委員会
京都市山科区上野御所ノ内町47、安朱学区自治会館内 TEL075(502)8488