ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
UP 地域の力

京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


マザーカウンセリング協会大津教室


 家族の関係から近所付き合い、職場まで、だれしもかかわりを保ちながら生きている。その周りのさまざまな問題や悩みについて、グループ・カウンセリングを勧めるのが「マザーカウンセリング」大津教室。そこでは、問題に「かかわる側」の自分を、あらためてさまざまな角度でとらえ直し、参加者からの助言とともに自由に話し合う。そして、どんなかかわりのなかでも安定できる資質が身につくことを目指している。

問題、悩み自由に話し合う 地域社会の健全な育成へ

写真
相手本位のかかわり方についてグループでの話し合い(大津市生涯学習センター)
 カウンセラー養成機関のマザーカウンセリング協会(本部・彦根市)は、岐阜から京都、滋賀など関西各地で地域教室、カウンセラー養成セミナー、分野・部門別の勉強会などを開いている。会名の「マザー」は母親というより、ものごとの根源との意味という。

 その地域教室は、京都で2カ所、滋賀では5カ所、それぞれ月1回、開催されている(有料)。だれでも参加でき、あれこれと悩みを持ちこむ人たちに、カウンセリングを学んでいる人やカウンセリング資格のある会員が加わり、当面の問題をみんなで話し合う。

 先週の「大津教室」(大津市生涯学習センター)をのぞいてみた。小人数だったが、一人の熟年の女性が母親の介護をめぐって姉弟の関係が難しくなり、悩みが尽きない、と苦境を告白。その後、問題のいきさつや背景について参加者との問答から、当事者同士の感情のもつれに至るまで、ていねいに触れていく。話し合い3時間に及んだ末、「だいぶん、ほぐれてきたわ」と、その熟年女性の表情が和んでいった。

 一方、部門別の勉強会では、教職員、保育士、福祉・医療関係者などを対象としており、また分野別では、母親、父親、生涯学習など、それぞれの異なるグループで学ぶ場を設けている。

 現在、滋賀県内の5教室に約50人の会員が参加。そのうちカウンセラー資格者が計8人にのぼり、講演などに活躍している。

 同協会の特徴は、「相手をどうするか?」という前に、相手にかかわる「自分が、どうあるのか?」と自己カウンセリングを唱えているところ。この過程で、相手本位のかかわり方を身につけていきながら、家族関係や地域社会の健全な育成に寄与するとしている。

 大津教室担当の安井康子さんは「なにか問題に出合うと常に、自分から発していないかどうか、まず考えるようにしています。他人のせいではないと気付くことがしばしばです。数年前に比べて、教室に参加する人が増えています」と、最近の手応えを語る。

 もう一人の担当者和田純子さんは「悩みや問題ごとを簡単に話せる場があるようで、意外に少ないのではないでしょうか。初めは一方的に話してもらってもいいし、みんなと一緒に話し合い、少しでも心が楽になってもらえたら、いいんです。一人で悩みを抱えこまないで、教室の扉をたたいてもらえたら」と、気軽な参加を呼びかけている。

<メモ>マザーカウンセリング協会大津教室
連絡先は大津市膳所1の18の4。安井さん方 TEL077(525)2648