ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
UP 地域の力

京都、滋賀で地域福祉を支えるNPO(民間非営利団体)や
地域の人たちの活動・話題をリポートします。


ボランティアグループ ぴんぽ〜ん


 高齢者や障害児者が暮らしの中で困っているのに介護保険などの福祉サービスが適用されないすき間に支援の手を―京田辺市で1999年に設立されたのが、ボランティアグループ ぴんぽ〜ん(藤田捷正代表)。訪問先の玄関のチャイム音を団体名に採用し、定年後の熟年男性や主婦などが、地域に出かけて、さまざまなニーズに地道に応えている。

特技や経験を生かして
福祉サービスのすき間支援


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会員たちの報告とともに依頼ケースを調整する例会
 同市社会福祉協議会による「訪問ボランティア入門講座」(計3回)を受講した人たちが集まって、このグループを立ち上げた。最初は男女35人で、40歳代を交えながらも50、60歳代の熟年層が中心だ。

 初代会長を務めた牧内澄夫さんは「第二の人生で余った時間を地域のために有効に使おうと呼びかけ、また、それまでに蓄えた一人一人の経験や技術を生かそう、と働きかけました」と設立当時を振り返る。

 昨年度の活動は、高齢者福祉施設の府立洛南寮での喫茶・ショッピングの介助、同リエゾン健康村でのカラオケ開催支援はじめ、一人暮らしの老人宅の屋根の修理、家庭訪問による話し相手、囲碁・将棋の相手、施設での七夕など催しの手助け、障害者の宿泊付き旅行への付き添いなど、地域のニーズはさまざま、多岐に及んでいる。これらの依頼に対して参加した会員は延べ199人。現在の会員は19人なので1人平均10回強は活動したことになる。

 毎月1回、第1火曜日に同市社協で、例会を開いている。毎月の活動の実績を参加者が次々に報告し、気づいたことや問題点、さらには感想まで、互いに伝え、情報を確かめている。次いで社協に寄せられた依頼各件の説明のあと、それぞれの参加者を調整しながら決めていく。

 このなかで初めてボランティアに参加した人が「カラオケ支援がとても良い取り組みと実感できた。また行ってみたい」と手応えを披露したり、「買い物の介助をスムーズに済ませることができて余った時間にコーヒー店で休息したら、依頼者に喜ばれた」という報告も寄せられている。

 市民の多様な依頼に対し会員の特技や経験を生かせるよう調整するほか、情報の収集から各種研修にも励んでいる。最近では、車いすの操作や修理方法を有志が研修し、さらに近隣の先進的な福祉施設の見学会などを続けている。

 5年前から参加している服部卯之輔さんは「年間15回くらい参加してます。公的サービスのすき間といっても、どこまで埋めるのか、話題になっています」とボランティアの課題を考え始めている。

 サブリーダーの森島保さんは「持ち前の大きな地声を生かして話し相手になったり、車いすを押したり、自分の元気さを役立てることができたら幸いです。一方で、90歳を超える人生の先輩から話を聞かせてもらい、こちらが元気をもらってます」とはつらつと語る。また中西はる江さんは「自分が丈夫で、できるときにやらせてもらう、という気持ちです。いろんな人と知り合え、楽しくやっています」とグループの和を歓迎している。

<メモ>ボランティアグループぴんぽ〜ん 
京田辺市薪小欠5の8 藤田さん方 TEL 0774(63)2366