ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
コラム「暖流」

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

素晴らしき人々に感謝!

こどもみらい館 館長
浅野 明美
 4月19日,「こどもみらい館」は開館7年4カ月目に入館者数300万人を達成した。1日平均1350人、多くの方々に愛されていることを実感し、感慨深い。これからも少し前を見ながら、子育て支援事業のさらなる充実をしていきたいと、心に誓った。

 正式名称「京都市子育て支援総合センターこどもみらい館」は、子育て支援に関する多岐にわたる機能を持つ施設として誕生した。

 現在、子どもたちとその保護者のための「相談」、図書館や情報誌などによる「情報発信」、幼稚園・保育園(所)の保育にかかわる専門職などへの「研修」、未来を見据えての「研究」、そして地域の子育てネットワークの構築などの多彩な事業を展開している。8年目の現在もなお、各自治体や地域の団体、また諸外国からも見学依頼があり、担当者は忙しい。ユニークな機能に対する一つの評価なのかもしれないと、喜ばしく思っている。

 ぜひとも紹介させていただきたいことがある。それは、多彩な事業を支えてくださっているのは多くの熱心なボランティアさんたちであるということである。

 遊具の置かれている「元気ランド」での相談、図書館での読み聞かせなど、毎日平均30人の方々が活動されている。各種ボランティアの養成研修も大きな事業の一つであるが、特に圧巻は「電話相談ボランティア」研修である。1年半の濃密な内容の研修期間、そして研修は有料である。匿名で顔の見えない相談者との、時には息の詰まるような深刻な話を傾聴し、相談者自身を適切な判断に導くという高度の技術と知識を必要とする電話相談に、ボランティア(!)で従事していただいている。その数、現在66名。各部門を合わせると、ボランティア登録者数は500数10名であり、それぞれさりげない高い志で活動していただいている。素晴らしき人々に感謝と敬意を表します。



あさの あけみ氏 1950年京都市生まれ。大阪医科大卒業。76年、京都市に入り、京都市立病院小児科に勤務。西京保健所長、南区長などを歴任。2003年、京都市子育て支援政策監就任。05年から現職。保健福祉局医務監兼務。