京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
|
●コラム「暖流」
「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。 「怒る」と「叱る」真宗大谷派僧侶
川村 妙慶
先日、「部下を大声で叱ったところ、自分を避けるような感じになりました。私がまずかったのでしょうか?」と訪ねられました。さて、「怒る」と「叱る」では意味合いが違います。
「怒る」というのは、自分自身が腹を立てたことを相手にぶつける一方通行の感情表現です。目的は、自分の「怒り」を吐き出すことであって、相手がどのように感じるかを気にしない行為です。 「叱る」という行為には、相手にわかってもらいたいという気持ちが前提にあります。しかし、人間には感情があるので、言われた方はその内容ではなく言葉のきつさだけを受け取ってしまうこともあります。 今は「叱られるとすぐ仕事を辞めてしまう」という人たちが増えているようです。そんな世代に対して、上司の方が言葉を発しにくくなっているのは確かです。前向きに上手に知恵を伝えることが大切なのではないでしょうか。 そこで、私自身も心がけていることですが、 1 理由が分かるように伝える 「意味ないだろ」と言うのではなく、「そういうやり方ではわからないな」とどうして良くないのかを伝えましょう。 2 まず褒めて叱る 「あなたにはこんな素晴らしいところがあるのだよ」とまず褒め、それから注意する内容を伝えましょう。 3 短く叱る 強く長く叱る方がいますが、そうなると相手は逃げることしか考えません。間をおきながら要点だけ伝えましょう。 4 人前で、怒鳴らない 5 相手の性格をみる 相手の性格やその時の体調がありますので考えて伝えましょう。 さて、私が実父から言われた言葉があります。 腹立てるな 自分自身が思うままにならないのに 他人が思うままになるわけなどない せっかくなら「相手と向き合えるための言葉」を伝えていきませんか。 かわむら みょうけい氏 アナウンサー、正念寺(上京区)坊守。メールで悩み相談受け付け。北九州市出身。46歳。
▲TOP
|