ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

コラム「暖流」


コラム「暖流」

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

最後の助け合いサミット

さわやか福祉財団 会長
堀田 力




いきがい・助け合いサミットは、今年で最後となる。

2019年の9月、大阪で開いたのが1回目で、さわやか福祉財団という一民間団体の主催にもかかわらず、全国で生活支援の助け合い活動を広めておられる生活支援コーディネーターや社協、市町村の担当者など3千人を超える関係者が参加して、2日間みっちり学習してくださった。全市町村が体制を組んで、地域に面として助け合いを広めようなどという大きな挑戦は、新憲法になってからはじめてのことだから、みんなで協議して学んでいかなければならないことは、山ほどある。

だから、第2回の神奈川サミットは昨年9月にコロナ禍中での開催となったが、リアル・オンライン合わせて大阪サミットより多くの方が参加してくださった。

今年9月1日(木)・2日(金)、東京、品川で開く第3回を最後にするのは、主催財団の体力もあって、当初から決めていたことである。大阪で多様な問題を提起し(ホップ)、神奈川で問題を詰め(ステップ)、東京で将来に向けた対応策を提起しよう(ジャンプ)という戦略を立てた。

その間にも時代の流れは進み、当初から設けた大きなテーマ「共生社会をつくる地域包括ケア」は、さらに幅を広めて地域共生社会をめざす地域づくりに重点を移しつつある。

助け合いを広める方々は大変だが、住民の方は着実に動きを広めている。

だから最終サミットでは、37の分科会を設け、企業や労働組合のSDGs(持続可能な開発目標)や子どもの共感力育成、生徒・学生の地域活動参加や外国人との共生など、新しい課題にも取り組む。

登壇してくださるのは、福祉、地域づくり、共生の世界のそうそうたる有識者や実践者の方々であって、これだけの知恵と実践例を提供できる研修は、もう開けないだろう。

参加はリアル、オンラインどちらも5月16日から主催財団のWebサイトとファクスで受け付けます。品川で会いましょう。


ほった つとむ氏
1934年宮津市生まれ。京都大法学部卒業。東京地検特捜部検事、最高検検事などを経て、91年に法務大臣官房長を最後に退職。現在、ボランティア活動の普及に取り組む。弁護士。著書に「おごるな上司!」「心の復活」「少年魂」など。