ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
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三千院・小学校サマースクール

いのちの大切さ学ぶ(2006/08/15)

 京都市左京区大原の天台宗門跡寺院、三千院は第3回サマースクールを8月1、2の両日、同寺院などで催した。京都、滋賀のほか全国から小学生30人が参加し、キャンプファイアーのほか座禅、写経、草木染めなど多彩なプログラムを体験した。京都市内より5度もひんやり涼しく、周りは緑濃い自然のなかに平安時代から伝わる重要文化財指定の仏像、建造物に囲まれ、子どもたちは、古都ならではの豊かな境地をたっぷりと味わった。写真


 虐待など子どもを取り巻く環境が悪化している中で、子どもにも「心を養う」機会を提供しようと、同スクールを開設。「共生」「奉仕」「生命」と3つの目標を掲げた。

 1日目は小堀光詮門主の開講のことば。数珠作り、近くの民宿でキャンプファイアー。2日目は早朝の午前五時半の洗顔から、座禅、掃除、おつとめ、写経。草木染め、来迎院の仏像・絵画など見学まで僧侶の修行並みに日程がぎっしり。

 写真朝食はイモがゆ、高野とうふ、味噌汁、漬け物2切れと精進メニュー。「この食事は、生きるためにある。お米さんもおイモさんも、そのために死んでくれた。感謝しましょう」と僧侶の先導でお唱えをして、正座のまま食した。ついで写経では簡略な経文の漢字を神妙に筆でなぞり、願いごとを記し尊像に託した。

 参加した子どもの感想は―。寺田裕輝君(11)=京都市伏見区=は「キャンプファイアーとゲームが楽しかった。ろうかのふき掃除がおもしろかった」。松田和洋君(11)=倉敷市=は「座禅は緊張したけど、写経はうまく書けた。仏像の話がよかった」。また富田実乃里さん(10)=守山市=は「新しい友達ができて、よかった。それに般若心経を覚えられた」と話す。

 同寺院の担当北川真祐さんは「これまでのサマースクールの経験者で中学校に進んだ子ども四人が初めてジュニアリーダーとして手伝ってくれました。若い人たちが代々つなげていきながら、一隅を照らすような人に育っていってほしいものです」と語っている。

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