ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
わたしの現場

団塊男性の参加求めたい
ボランティアのまとめ役

 

笹山 典孝(ささやま のりたか)さん



写真
ボランティアグループの人たちと情報交換する京田辺社協コーディネーター笹山典孝さん
 地域福祉を推進し、住みよい町づくりをめざすには、ボランティア活動の果たす役割が、ますます大きくなっている。各地にボランティアセンターが設けられ、市民生活に欠かせない存在になっている。

 京都府南部、京田辺市社会福祉協議会のボランティアセンター=TEL0774(62)2222=は、連日、利用するボランティアや来訪者などが相次ぐ活況である。ここのボランティア・コーディネーター、笹山典孝さん(28)は、福祉の仕事に携わって5年目。ボランティアをめぐって、次々とさまざまな仕事に追いかけられている。

 「大学を出たあと、サッカースクールのコーチをしてたんですが、市社協の求人を知って、応募したんです。福祉のことはあまり知らなかったので、イチから勉強しました」

 京田辺市は、大規模な宅地開発と学研都市の建設とともに、近年の発展は目ざましく、人口は約6万3400人へ急増。2年前、市社協が策定した「地域福祉活動計画」は「お互いさんの心で築く 人にやさしいまち」をめざしているが、この中でボランティアは、重要な役割をになっている。

 「なにかボランティアをやってみたい、という方々の相談の他、支援を求める市民へのボランティアの紹介、さらに情報発信、各種講座開催、グループ活動への支援など、センターの仕事は市民に直結しています。なかでも支援の依頼は、他の福祉制度を適用できないことが多く、最後のセーフティーネットとして、なんとかできないかと奔走しています」

 現在、センターに登録しているボランティア団体は43、約1000人。障害者関係が24、次いで高齢者関係12、児童・青少年関係8、文化関係6(一部重複)などだ。

 「就職した翌年からコーディネーターとなり、ボランティア分野の全般的なまとめ役です。市のボランティアの登録者は府北部ほど多くはないんですが、都市部としては平均的なところです。4年前に比べて、登録が9団体、人数で125人、増えています」。

 この間、登録者の内訳は年齢別では、60〜80歳が45.8パーセント、40〜60歳22.7パーセントで、全体のほぼ8割を占めている。半面、40歳未満が11.3パーセントと少ない。また男女別では、女性が79.4パーセントに対して男性は20.6パーセント(以上、2009年度)で、男性の立ち遅れが否めない、といっても、男性比率は、4年前の12.2パーセントから徐々に上向いている。

 また「毎年開いているボランティア入門講座の受講者が10人ほどにとどまり、やや苦戦していますが、2年前の傾聴ボランティア養成講座には30人が応募し、好評でした。みなさんがどんな活動を望まれているのか、一方で、どんな支援を求められているのか。センサーを働かせていかないといけないんです」

 これからは「自分の父親と同じ団塊の世代の男性へボランティア参加を働きかけることと、若い世代へのアプローチを一層、進めていきたいです」と結んだ。