京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
|
●この人と話そう
お年寄りの「心の命」対話で元気に
|
|
「元気な脳でいるためには会話や気配りが大切、リハビリだと思って人の集まる場に出かけてください」。ラジオ収録を兼ねた「おしゃべりサロン」で参加者と交流する(3月28日、東山いきいき市民活動センター) |
《対象は独居の人だけですか》
原則はそうですが、昼間だけ独居の人、家族との対話の少ない人も対象にします。家族では、思い出話をすでに何度も聞いていて「またその話か。耳にたこができたわ」と、うとまれることもよくありますから。
《そういう対象となるお年寄りは、どうやって募るのですか》
ケアマネジャーさんに紹介してもらっています。同時に把握しておられる生活情報を提供してもらいます。ボランティアが対象の方と会う前に、たとえば転倒しやすいとか、耳が遠いとかいう情報を事前に知っておくと訪問したときに備えができます。
個人的には受け付けていません。
|
《対話のボランティアは珍しい試みだと思いますが、介護保険などの対象になりますか》
まったくの対象外です。ですからお年寄りの家に行く交通費もボランティアが自分で払います。それでも楽しいから続くのでしょうね。無理に続けてもらわなくてすむよう、年度末にいったん解散して、4月に集まったメンバーで活動を開始するのですが、多くの人は継続してくれるので助かります。
《今後はどんな展開を考えていますか》
現在、利用しているお年寄りは20人です。確実に増えてきているのでボランティアをしてくれる人を求めています。特に医療、保健、福祉系の学生さんに参加してほしいですね。そうすれば▽お年寄りの暮らしぶりが分かる▽福祉、介護のあり方が学べる▽昔の時代の文化的背景の一端を知ることができる▽話を聴き理解する態度が身につく-など、学ぶことは大きいと思います。
おおや はるよ
1951年生まれ。南丹市美山町出身。
内科医、医学博士。京都工芸繊維大学大学院修士課程を修了後、地域医療に関心をもち、32歳で医学を志す。香川医科大医学部(現・香川大医学部)を卒業後、同医科大で教育と研究に携わる。故郷の美山町の診療所に勤務した後、現在は京都市上京区の出町診療所(内科)、大津市の琵琶湖大橋病院(訪問診療科)などで勤務。そのかたわら地域に密着した医療福祉情報番組「京都医療福祉ラジオ」(NPO京都コミュニティ放送)の制作委員長、パーソナリティー。
原則として毎月第1土曜に「りすの会」=ファクス専用075(495)6215=の交流会を行い、新たなボランティア希望者を募っている。