ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
パパもLet's子育て  < 3 > 旅の仲間

楽しさ共有、互いが刺激に

 

島本 和範



 パパ子育てに興味を持ち始めた私は、京都市中京区の子育て支援センターで開催されるパパ&子ども向けイベントに定期的に参加するようになりました。イベント開催中、パパと子どもだけで過ごすルールがあり、参加し始めた当初は不安で仕方ありませんでした。ですが、ママ抜きの経験を重ねるうちに、ほんの少し余裕が出てきます。初めて参加するパパが不安がっていても、「これだけパパがいるから大丈夫ですよ!」とちょっと先輩ぶった発言をしたこともありました。

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子育て応援イベントの運動会で選手宣誓する島本さん
 2007年6月、同センター長から「クラブ活動イメージでパパ子育ての輪を広げていくこと」そして「初代部長」のお誘いがありました。パパ子育ての言い出しっぺの私は、ひとりのパパの立場から新たな一歩を踏み出すことになりました。今から振り返ると、イベントでお会いする「パパ友」が「かけがえのないパパ子育ての旅の仲間」に変わったのはクラブの決起集会という名目の飲み会だったかもしれません。

 クラブ活動の内容は、パパ&子どものイベントへの参加、子育て支援センターのイベント開催のお手伝い、京都市動物園や蹴上のインクラインへの遠足、京都御所へ散歩などをしていました。

 複数のパパによる子育て活動には、さまざまな悩みが生じました。まずは、当時見本となる「パパ子育て」の例がなかったこと。子育てセミナーに参加しても、二言目には「パパも子育てに参加を」とよく聞きましたが、具体的な行動イメージにたどり着くことはできませんでした。海外の子育て事例では、大自然の中で木製のブーメランで遊ぶようなことが書かれていましたが、年齢層的にもハイハイやよちよち歩きの子どもに合致する事例ではありません。

 今から振り返ると目立った活動をしていたわけではありません。ですが、パパ子育ての楽しさや心境を互いに共感したり、熱心に子育てされているパパの活躍ぶりに刺激を受けたりし、明日も子育てや仕事を頑張ろうとココロをリフレッシュ出来ていたことは非常に有益だったと思います。

 パパ子育てにはたくさんのメリットがあります。一例をご紹介します。

 「妻の子育てに対する大変さが分かり、出来る限り協力しようと思った」とか。「子育てに積極的な他のお父さんの話を聞いて、自分も頑張ろうと思った」「ママも子育てで大変な状況も分かるけど、パパ達も大変だという心境を共有出来た」さらには「ママ友は同年代がほとんどだが、パパ友は異業種・異年代の人と接することが出来た」「ママ抜きで過ごすことに自信がつき、ママ抜きでお出掛け出来るようになった」「妻につかの間の休息時間や、通院時間を作ってあげられた」などなど。

 パパ子育てのクラブ活動期間として約3年。子どもの成長とともに、パパ子育てのステージは、どんどん変化していきます。


写真 しまもと・かずのり

1976年京都市生まれ。
26歳で結婚、小3男子・年中女子の2児の父、妻もフルタイムで勤務。
仕事は、京都市左京区の精密機器メーカーのシステムエンジニア。多忙な毎日を送る中、パパ子育ての楽しさを感じながら日々生活している。