ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
パパもLet's子育て  < 6 > パパ子育て当たり前

自分のスタイルで楽しもう

 

島本 和範



 パパが子育てに携わることは、当たり前のことだと私は思います。当たり前のことなのに、特別視されているのが現状です。「イクメン」というコトバは、シチュエーションによってはパパ・子どものみがクローズアップされていて、どうも違和感を覚えます。もし「パパ」と「子育て」の組み合わせを特別と感じる現役パパがいらっしゃったら、何か見えない壁(過去の流儀、価値観、役割分担)が存在しているのかもしれません。と言いながらも、パパがママと全く同じように子育てが出来るとは私も思っていませんし、家庭や仕事の状況によってパパの子育てへのかかわり方はさまざまです。他の家族と比べず、自分たちの実情に応じたスタイルで子育てを楽しめばよいと思います。

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 パパ子育てのシーンにおいて、「子守」「家族サービス」という受身的な言葉を耳にすることがあります。また、子どもたちが遊んでいるのをスマホ片手に待っている方を見かけることがあります。せっかくの繰り返しのない子育て時間。自分の優先させたいこともあるかと思いますが、パパスイッチON状態でパパも子どもも充実した時間を過ごすことが出来れば素晴らしいですね。

 私は、子育ての専門家ではありません。そんな私が一つだけ現役パパの皆さまにお伝え出来ることがあります。それは、「たった、9年間弱のパパという時間において、子育てに費やした時間をもったいないと感じたり無駄だと感じたりした時間は一切なかった」ということです。むしろ、学び、得られるものばかりでした。パパスイッチON状態になるきっかけはさまざまです。私のようなオムツ替えもままならず、諦めることなく日々耐えながら私を育成してくれた妻に感謝しています。

 「子育て」をしていると、背丈が小さくついつい「子」として目上から見がちですが、「自立した人育て」の過程であり、次世代の「パパ・ママ」育成をしていることを忘れてはなりません。過去の子育ての流儀、現在の子育て、そして子ども達が成長した時の未来の子育て。未来の子育てにおいて、子ども達にはその時代や環境に応じた自立した大人であり親になってくれるよう祈りつつ、子どもたちを支援していきたいと思います。

 共働き生活でホッとする時間はほとんどありません。妻の仕事、家事、子育ての両立に加え、義父母にも多大な支援をいただいています。「子育て」を通して、忙しいと感じることもありますが、この忙しさの感覚は生活の充実そのものです。そして、かけがえのない経験と現在進行形でどんどん増えていく沢山の幸せに感謝しています。そして、子どもの成長に伴い親も保育園・学童保育・学校・習い事などさまざまなコミュニティーに参加したり、さまざまな方に知り合ったりすることが出来ています。かけがえのない出会いの源泉は、「子ども達」であり「子育て」にあります。忙しいパパも「Let's子育て」


写真 しまもと・かずのり

1976年京都市生まれ。
26歳で結婚、小3男子・年中女子の2児の父、妻もフルタイムで勤務。仕事は、京都市左京区の精密機器メーカーのシステムエンジニア。長男と同じ珠算教室に週一回通う。現在、珠算二段。