ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

京都府災害ボランティアセンター
日常的に関係づくり



 「京都府災害ボランティアセンター」は、平成17年5月に京都府や京都府社会福祉協議会、NPO、青少年団体など21団体が参画し設立されました。きっかけは、平成16年10月20日に府北部に大きな被害をもたらした台風23号災害での実質的なボランティア活動の経験でした。当時の京都府地域防災計画では、災害が発生した場合、府社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを設置することとなっており、被災した翌日に設置、支援活動を始めました。ボランティアバスの運行も初めての取り組みでした。府内7カ所に市町村の現地災害ボランティアセンターが設置され、延べ1万2220人のボランティアが参加しました。


京都府災害ボランティアセンターを通じて支援活動するボランティア
 この経験から長期にわたってボランティア活動を円滑・効果的に実施していくためには、大規模災害に備えて日常的に活動できる体制をつくっておく必要があることが分かり、公民協働による常設の組織として設立に至りました。今年で10年目を迎え、現在、44の団体が参画し活動しています。平成26年には専任職員も配置しました。

 毎年のように起こる災害に対応するため、京都府内の市町村で災害ボランティアセンターの常設化の取り組みを進めています。常設化することで、普段から災害時を想定した訓練や研修を実施するなど「災害」「防災・減災」について住民同士で考える場ができます。行政や社会福祉協議会、NPO・ボランティア団体などがお互いの「顔の見える」関係が作られ、「いざ」というとき大いに役立ちます。

 さらに、平素から地域の方々や関係者に災害ボランティアセンターを知っていただくことになります。「助け上手」「助けられ上手」になっていただくことも期待しています。

 本年度から、ホームページ(http://fu-saigai-v.jp/)やツィッターに加え、フェイスブックも始めました。平成26年度からは、いち早く現地に駆け付け支援を行うため、先遣隊活動や初動支援を行う専門チームを結成し、迅速・効果的な支援活動を行うための研さんを深めています。府内4カ所(舞鶴市、綾部市、南丹市、京田辺市)にボランティア活動用の資材を保管し、災害発生後の迅速な対応に備えています。

 今後とも、日常的に関係者との連携・ネットワークづくりに努め、地域防災人研修などの人材養成をすすめるとともに、公的機関やNPOとも密接に連携していきたいと考えています。

(京都府災害ボランティアセンター)