ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

作業療法士

暮らしの役にたつ



 作業療法士は、心や身体の病気・障害がありながら生活することを余儀なくされた人が、日々の暮らしにおいて何に困られ、どのようなお手伝いをすれば生活が安定し、心地よい暮らしにつながるかを、医学的知識や技術に基づいて詳細に評価します。それに基づいて、どのように生活をすればよいか生活の仕方、着衣や入浴、料理や食事、買い物や交通機関の利用などその人に合わせた工夫、また、必要な方には車いすや自助具などの使い方、住宅改善や暮らしの中で健康を保てるような趣味や楽しみ、生きがいとなるものを一緒に探します。病気や障害があっても生活を楽しみ、新しい人生に向けてご自身で取り組まれるよう、総合的な支援をします。  今何ができ、何に困り、どのようなお手伝いをすれば生活が安定し、心地よい暮らしにつながっていくのか、また支援をする目標と方法について、ご本人やご家族と十分に話し合い、環境の調整や援助を行います。


調理動作方法を指導する作業療法士
 京都府内には平成29年4月現在で、約1200名の作業療法士が、病院や施設、保健センターや行政、学校、デイケアやデイサービス、訪問リハビリや訪問看護といったさまざまな場所で働いています。共通して行うことは、ご相談をしながらみなさまの希望や願いに応じて専門的な知識や技術で、お一人お一人の自立に向けた支援をすることです。超高齢化社会に向かい日々の暮らしに多くの課題が起きている今、京都府作業療法士会は、地域包括ケアシステムをささえる職能集団の一つとして府民の皆さまのお役に立てるよう、会員の総力を挙げて人材の育成に力を入れています。認知症や精神的な病気、予期しない事故などにより心身に障害をもたれた方や、ご自身だけでなくご家族のことでお困りの事があれば、いつでも気軽に支援を受けられるような、人に優しい地域作りを目指しています。作業療法士は必ず「あなたの暮らしのお役にたちます」。どうぞ、いつでもお声をかけてください。

 日本に作業療法士が誕生し半世紀、日本作業療法士協会設立50周年を記念し、京都府作業療法士会は7月30日(日)午前10時から京都市中京区のハートピア京都で府民公開講座を開きます。「あなたの暮らしのお役にたちます!作業療法士」と題した日本作業療法士協会会長による講演やシンポジウムなどを予定しています。多数のご来場をお待ちしています。

(京都府作業療法士会事務局 TEL 090(6982)2943)