ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

介護ロボット

移乗を1人の介助で



 近年、介護ロボットへの注目はとても高まりつつあります。これまで介護ロボットは、メーカーや研究機関による開発が中心でしたが、実用化・商品化が進み、昨年頃から介護現場への導入が盛んに進められ、徐々に身近な存在になりつつあります。

 一般的にロボットの定義は、「センサーなどを用いて情報を感知し、知能・制御系で判断を行い、モーターなど駆動して動作する機械システム」とされますが、介護ロボットは、これを基本としつつ、もう少し広い概念で捉えられており、駆動系を持たない見守り機器も、介護ロボットの仲間となります。


 パナソニックでは、10年以上前から介護ロボットの開発を進めており、2014年に商品化、その後改良を重ね、今年1月に普及型として離床アシストロボット「リショーネPlus」を発売しました(90万円 税抜・配送・組み立て費用別)。

 リショーネPlusは、重度な要介護者の方(寝たきりの方など)を対象にした介護ロボットで、こうした方のベッドと車いす間の移乗を一人の介助で持ち上げることなく簡単・スムーズに行うことができます。

 具体的には、介護ベッドの半分が分離し、車いすに変形することができるロボ?ト=写真=で、これまでにない全く新しい方法でベッドから車いすに乗り移ることができます。 

 従来の寝たきりの方の移乗介助は、2〜3人がかりで持ち上げる負担の大きなものでしたが、リショーネPlusを使うことで、一人介助で持ち上げることなく、楽に行うことができます。リショーネPlusの持ち上げない方法は、介護を受ける方の体にも負担が少なく優しいため、これまでベッドで寝たきりだった方がリショーネPlusを導入することで、日中はベッドを離れ、家族や仲間と食事やくつろぎの場を共にすることができるようになります。

 現在、リショーネPlusは、多くの介護施設、在宅(2月よりレンタル開始。介護保険の適用については自治体によって異なります)でご活用いただいております。

 ここでご紹介したリショーネPlus以外にも、多くの介護ロボットが介護現場で活用されつつあります。

 少子高齢化の深刻化が進む中、現在、国は積極的に介護ロボットの導入を進めており、特に次の5つの分野の介護ロボット開発・導入を重点的に推進しています。
  1. 移乗介助支援
  2. 移動支援
  3. 排せつ支援
  4. 入浴支援
  5. 見守り支援
 本年度はこれらの介護ロボットの有効性検証、来年の介護報酬改正に向けた報酬加算や運用基準制定などの検討が精力的に進められている状況で、今後さらに介護ロボットの普及が進むことが期待されます。

パナソニック エイジフリー株式会社)