京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
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●ふくしナウ
「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。 京都犯罪被害者支援センター19年、温かく寄り添う
「事件は解決しても、被害は解決していない」 女優草笛光子さんのナレーションによる広告をご存じでしょうか。犯罪被害者の方に相談できるところがあることを知ってほしい、多くの方に犯罪被害者支援について知ってもらいたいという支援キャンペーンです。
事務局は京都市内にあり月曜日から金曜日までの午後1時から6時まで、また平成28年、福知山市に開設した「ほくぶ相談室」では月曜日と木曜日の正午から午後4時まで電話相談を行っています。これらの電話相談は、警察、弁護士、精神科医や臨床心理士などの専門家による研修を受けたボランティア相談員が担当します。これまでに延べ126人のボランティアが携わりました。 電話では、殺人や交通事故のご遺族、性犯罪や傷害の被害者やそのご家族などからさまざまな相談が寄せられます。「子どもが殺されました」と言ってこられたお父さん、「住居侵入の男に体を触られて以来、仕事に行けない」と泣きながら電話してこられた女性など。 その後の支援が必要と思われる場合は面談し弁護士や臨床心理士などにつなぎ、付き添いをします。裁判では、証人席や傍聴席での付き添いをし、代わりに傍聴をしてその報告をすることもあります。平成15年から京都府公安委員会指定「犯罪被害者等早期援助団体」となったことにより、警察から直接、被害者の情報を受け、こちらから連絡をとり支援を開始することができます。これまで203件の情報を受けました。 電話相談を担当するボランティアは残念ながら十分とは言えませんので毎年ボランティア募集をしています。また被害者の方をさらに傷つけることがないよう、ボランティアの資質の維持、向上のため研修は欠かせません。講義、ロールプレイ、事例検討など研さんを積み被害者の方にとってのより良い支援を心がけています。 私たちは、いつ事件や事故に巻き込まれるか分かりません。事件や事故に遭われた方々には、温かく寄り添い支える地域や社会の一員でありたいと願います。 (京都犯罪被害者支援センター理事・事務局長 冨名腰由美子)
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