ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

京都府災害ボランティアセンター

被災者に寄り添い続ける




被災地で住宅敷地内に流れこんだ土砂のかき出しをするボランティア(7月、宮津市)=提供写真
 皆さんは、災害ボランティアセンターをご存じですか?

 災害ボランティアセンターは、被災された方の「助けてほしい」というニーズと、ボランティアの「助けになりたい」という思いをつなぐ役割を担っています。

 京都府災害ボランティアセンターは、2005年5月にボランティア団体、NPO、府社会福祉協議会、府など、21団体が参画し設立されました。きっかけは、04年10月20日に府北部に大きな被害をもたらした台風号災害への対応でした。

 当時、府内7カ所に市町村の現地災害ボランティアセンターが設置され、約1万2000人のボランティアが参加されたことに伴い、関係者が連携し被災地支援に携わりました。

 この経験から、長期にわたりボランティア活動を円滑・効果的に支援を行っていくには、平常時から関係者が集い、災害に備えていくことが重要であることがわかり、府などの支援を受けて常設の府災害ボランティアセンターが設立されました。

 この間、主な取り組みとして、各市町村の災害ボランティアセンターの常設化支援を行うとともに、研修や訓練の充実化を図るなど、環境整備や人材育成等に取り組んできました。

 また、14年には専任職員を配置するとともに、いち早く現地に駆け付け支援を行うため、情報収集や初動支援を行う専門チームを結成しました。これまでに府外では、関東・東北豪雨災害、熊本地震、鳥取中部地震、九州北部豪雨災害。府内では、昨年の台風18号災害、今年の大阪北部地震、7月豪雨災害などに初動支援チームを派遣してきました。

 とりわけ、今年の7月豪雨災害では、府内の7市町村で災害ボランティアセンターが活動しました。それに伴い、初動支援チームを現地に派遣し運営支援を行うとともに、ボランティアバスの運行、ボランティアサポート募金の実施、府内5カ所の備蓄倉庫から資材の提供など、ボランティア活動の支援を図ってきました。

 被災地の住民の皆さんからは「ボランティアの方々は黙々と作業される。そんな様子を見ていて私も元気が出る。心と心がつながっていると感じた」「私たちのために頑張ってくれる。明日からの希望が持てます」などの声が寄せられました。

 私たちは一つ一つの声を大切に被災者に寄り添い続ける、そんな災害ボランティアセンターであり続けていくために、今後も役割と責任を果たしていきたいと思っています。

(京都府災害ボランティアセンター)