ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

きょうとフードセンター

提供食材、子ども食堂に




企業や団体、個人から食材の提供を受けて整理する職員(京都市中京区)
 今、日本社会は少子高齢化が進み「人口減少社会」に入っており、私たちの生活や子どもの育ち、家庭や地域の子育て環境も、大きく影響を受けています。

 子どもが成長し自立するためには、成功や葛藤などさまざまな体験をすることが大切であり、この体験の機会は多くの人と人の関わり合いの中で生まれます。しかし、家族や地域の機能が縮小している今日、子どもも家族も共に孤立しがちです。

 このような中、人と人の関係を結び直す新しい地域のつながりの再構築に向けて、子ども食堂や学習支援活動など地域の中で見守りや居場所をつくる多様な取り組みが、ボランティアや民生児童委員、NPO、大学、寺院、社会福祉法人など民間団体を中心に広がってきています。

 「きょうとフードセンター」は、子ども食堂や子どもの居場所に取り組む活動を応援する京都府の事業です。京都府社会福祉協議会は業務を受託し、本年3月28日に開設しました。センターは、企業や団体、個人から食材を募って提供を受け、子ども食堂等活動団体につなぎます。

 開設以降、小売店やコンビニエンスストア、大手食品メーカー、地元企業、農家、その他有志の方より、缶詰や飲料水、カップ麺、おやつ、賞味期限が残り少ない災害用非常食、ケーキ、米や野菜、肉などの生鮮食品まで多様な食材の提供をいただき、子どもの成長を支える地域活動に役立てられています。

 また、賞味期限が少なく小売店より回収が必要となる食材は、食品ロス削減として環境面でも優しく、企業の社会貢献活動につながります(ただし、本センターは1カ月以上の賞味期限を残している食材を対象としています)。

 食材は、京都府内の子ども食堂等活動団体や社会福祉施設の申し込みを募り、食材の提供が決定した団体等は、保管倉庫の設置や一時預かりに協力する地域の社会福祉法人施設や市町村社会福祉協議会で受け取ります。

 今後、本会は当センター活動を推進するとともに、子ども食堂等活動団体や社会貢献活動に取り組む企業、NPO、フードバンク、生協、社会福祉法人、市町村社会福祉協議会などが交流する場づくりや、誰もが安心して暮らせる地域ネットワークを提案します。問い合わせはセンター075(252)6299。f-yuinet@kyoshakyo.or.jp

(京都府社会福祉協議会福祉部長 坂田徹)