ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

ホームヘルパー

利用者の生活支える




生活援助を行うホームヘルパー(提供写真)
 「住み慣れた地域で安心して暮らし続けたい」という願いに寄り添い、利用者一人一人の生活を支えるため、日夜活躍している専門職がホームヘルパー(訪問介護員)です。

 ホームヘルパーは、介護や生活の援助が必要な高齢者や、障害のある方のご自宅を訪問します。食事や入浴、排せつなどの身体介護サービスをはじめ、掃除や洗濯などの家事援助、通院や外出の移動支援など非常に幅広く、利用者の生活を支えています。

 利用者の生活と密接に関わるからこそ、一人一人に寄り添い、それぞれの暮らしに合った支援を大切にしています。

 また、自宅を訪問する中で、利用者の普段の暮らしを理解しています。だからこそ、「こんにちは」というあいさつ一つとっても、利用者の顔色や動作など小さな変化にも気付くことができ、利用者の生命を守ることにもつながっています。利用者の病状等や生活状況を把握しながら、臨機応変に幅広い支援を展開できることは、ホームヘルパーの魅力です。

 しかし、現在、人材不足が深刻な課題となっています。公益財団法人介護労働安定センターが実施した2017年度「介護労働実態調査」によると、ホームヘルパーが「不足している」と回答した事業所は8割に上りました。これは介護サービスに従事する従業員の職種の中で最も高い割合となっています。

 ホームヘルパーの不足により、一人のホームヘルパーが担当する件数が多くなっています。また、1件あたりの訪問時間が限られている中、1日にたくさんのご自宅を訪問しています。そんな状況でも利用者一人一人に寄り添い、心のこもったサービスを届けたいという強い思いをホームヘルパーは持っています。

 ホームヘルパーとして働くためには、介護福祉士(国家資格)や公的資格の介護職員初任者研修修了、実務者研修修了などの資格が必要です。介護職員初任者研修は介護職として勤務するための基礎的な資格で合計130時間の研修を受けることが必要です。

 団塊の世代が75歳以上になる2025年には、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上となると言われています。超高齢社会の中、高齢者の単身世帯や夫婦のみの世帯も増えています。そんな社会で、ホームヘルパーは利用者に寄り添い、精いっぱい、自分ができることを積み重ねながら、専門性を高め続けています。

 地域で安心して暮らし続けるために、今日もホームヘルパーは笑顔で訪問を続け、みなさんの地域に元気を届けています。

京都府ホームヘルパー連絡協議会