ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

成年後見制度

尊厳損なわず利用促進




京都市成年後見支援センターが無料で配布する啓発用パンフレット
 成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害等のために判断能力が不十分な人の権利と財産を守ることを目的に、本人を法律的に保護し、生活を支援する成年後見人等を選任する制度です。選任された成年後見人等は、本人の思いを大切にしながら、本人に代わって契約の締結や年金・保険金等受領の手続き、財産管理等の支援を行います。

 認知症の人は高齢者人口に比例して増加を続け、2025年には700万人に達すると推計されています。その一方、成年後見制度の利用者は、18年12月時点で約21・8万人にとどまっています。判断能力が不十分であっても、人としての尊厳が損なわれることなく、その人らしく暮らし続けていくことができる社会を実現するためには、成年後見制度が今後ますます重要な役割を果たすと考えられます。このような背景もあり、国では、17年3月に成年後見制度利用促進基本計画を閣議決定し、成年後見制度利用促進の取り組みを開始しました。

 京都市では、国の動きに先立ち、12年4月に京都市成年後見支援センター(以下、「センター」といいます)を設置し、市民の成年後見制度利用に対する支援の取り組みを開始しました。そして、現在は、19年3月策定の京都市成年後見制度利用促進計画に基づき、センターを成年後見制度の利用促進を図る中核機関に位置付け、事業と体制の充実強化を図りました。

 センターでは、成年後見制度に関する相談への対応や申立書類作成に対する助言支援、制度説明パンフレットの発行、制度周知のためのセミナーの開催、市民後見人の養成と活動支援、市長申立事務等の事業を実施しています。さらに、関係機関・団体との連携により、成年後見制度利用促進のための地域連携ネットワークづくりにも着手しました。このように、センターでは、成年後見制度に関する多様な取り組みを推進していますので、お気軽にご利用ください。

 なお、センター事業は、京都市民と市内事業所に勤務する福祉専門職等を対象として実施しています。京都市以外での取り組みの詳細は、各自治体に直接お問い合せください。

 市成年後見支援センター 075(354)8815=月〜土曜午前9時〜午後9時30分、日・祝日午前9時〜午後5時(休所日は第3火曜日、年末年始)

社会福祉法人 京都市社会福祉協議会京都市成年後見支援センター所長)