ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

介護支援専門員

地域包括ケア担う要に




「笑いと健康」をテーマにした昨年度の府民公開講座
 介護支援専門員(通称・ケアマネジャー)は居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、介護保険施設などに所属していて、要介護(要支援)状態となって介護保険による給付(サービス)を希望する方に対して、ご本人が望む暮らしをかなえるための計画書(ケアプラン)を本人やその家族と相談して作成し、計画に沿ったサービスが提供されるよう、サービス事業者等との連絡や調整を行います。現在、京都府介護支援専門員会には1770人が入会しています。

 介護支援専門員が作成するケアプランにはデイサービスや訪問看護等の介護保険制度にあるフォーマルサービスの利用調整も行いますが、ご自身の生活管理やセルフケア、また、地域住民やボランティア、家族の支援など制度に基づかないインフォーマルサービスについても活用の検討を行います。

 さらに、これらの支援が開始された後は、支援者全体をケアチームとしてマネジメントを行い、すべての支援が密接に結びつき互いに良い影響を及ぼすよう努めていることから、「介護保険制度の要(かなめ)」とも称されています。

 介護支援専門員になるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、所定の研修を修了する必要がありますが、受験には保健、医療、福祉、介護の国家資格を有し、資格に基づく実務経験を、または生活相談員・支援相談員・相談支援員・主任相談員の業務を通算して5年以上かつ900日以上従事するという要件を満たす必要があります。

 少子高齢化が進むなか、単なるケアプランの作成者にとどまらず、「要介護・要支援状態になっても自分らしい暮らしを人生最後まで続けることができるよう、必要な支援が切れ目なく一体的に提供される体制」すなわち、厚生労働省が提唱し、自治体と民間施設が一体となって進める地域包括ケアシステムが構築、推進できる地域づくりにも介護支援専門員がその要として活躍することが期待され、この期待に応えるべく、自らの専門性を高めることによって専門職としての地位確立を目指しています。

 府介護支援専門員会は、介護支援専門員だけではなく、すべての京都府民のために活動する団体です。毎年府民公開講座を企画開催し、今年は11月9日午後1時からハートピア京都で「高齢者の運動器疾患と栄養〜目指せ!寝たきりゼロ〜」と題した講演会と、映画「ケアニン〜あなたでよかった」の上映を行います。多数のご来場をお待ちしています。問い合わせは同会075(254)3970

公益社団法人京都府介護支援専門員会