ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

ヘルプマーク

「援助が必要」を告げる




赤地に白抜きで「+」と「♥」をデザインしたヘルプマーク
 最近、赤地に白抜きで「+(プラス)」と「♥(ハート)」のシンボルをデザインした「ヘルプマーク」というストラップをかばんなどに着けている人を、街中で見かけたことはありませんか。

 外見からは元気に見える人でも、難病などのため、全身に激痛やしびれを感じる人、疲れやすい人、つり革につかまり続けるなどの同じ姿勢を保つことが苦しい人など、さまざまな症状で援助を必要とする人がいます。

 京都府内には、障害者手帳の交付を受けている人が約20万人おられるほか、手帳の交付は受けていないが、治療方法が確立していない難病と診断された人も多くおられます。

 ヘルプマークは、このような難病や内部障害を抱えている人や、義足や人工関節を使用している人、または妊娠初期の人など、援助や配慮を必要としていることが外部からは分からない人が、周囲の人に配慮を必要としていることを知らせることで援助が受けやすくなるよう作成したマークです。

 ヘルプマークの赤は支援を必要としていること、ハートは思いやりの気持ちをもっていただく、という意味を含んでおり、このマークはもともと、2012年に東京都が独自に作成したものです。京都府でも、このマークの趣旨に賛同し、東京都に次いで16年から導入しており、今年10月末で40の道府県が導入するなど、全国規模で広がっています。

 公共交通機関などで席を譲る、街中で困っているようであれば声をかけるなど、生活のさまざまな場所で、思いやりのある行動をお願いしています。

 ヘルプマークは、京都府庁・各保健所のほか、府内の各市町村窓口でも受け取っていただくことができます。書類等の記入も不要で、ご本人またはご家族等が窓口に来ていただければ、窓口で無償でお渡しをしています。

 また、京都府では、援助が必要な人にヘルプマークをお渡しするのと同時に、多くの人がヘルプマークを知っていることが大切と考え、このマークのことを紹介するマンガの小冊子を作成しました。

 特に、若い世代の人にもマークのことを知ってもらおうと考え、3年前から府内の公立・私立の中学校等にも協力をいただき、生徒さんに配布や紹介をお願いしています。

(京都府健康福祉部障害者支援課)