ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
自然との共生  障害者カヌーを楽しむ

【4】京都パラ開催に向けスタート

老若男女 おそろいTシャツも(2019/04/20)


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大会が中止になり、リベンジ京パラキャンプ大会で京パラ名物Tシャツを掲げての記念撮影(2018年10月、京都府京丹波町・艇庫前)=写真は本人提供

 私が初めて参加し、いきなり実行委員長を任された第12回大会では、第1回大会から参加していた下肢障害の人たちはスキルも上達していて、大会もカヌー体験だけでなく、3`余りを2時間ほどかけてツーリング(川下り)を行うこともしていました。

 パラマウント・チャレンジ・カヌー京都(以下京パラ)を続けていく中で参加者もいろいろな障害のある方が増えていきました。近年では自閉症などの発達障害のある子どもたちの参加も増えてきています。自然の中では大声を出したり走り回ったりする、生き生きとした子どもたちの姿を見て親御さんも一緒にカヌーに乗って楽しんでもらう「ファミリーカヌー」の取り組みも始めています。

 また、スタッフも第1回大会で駐車場係をしていた人が今ではベテランのレスキューとなり、指導者として活躍していたり、結婚して子どもができたり、また、孫と一緒に参加をして障害のある子どもたちと一緒に交流を深めて楽しく1日を過ごしています。

 スタッフは近隣府県から足を運んでくれるほか、中部地方や関東、九州から参加し、大会前日からキャンプをしている遠方からの常連さんもいます。

 参加者の年代も子どもから70代までと幅広く、キャンプの時にはボランティアの学生たちと世代を超えて話に花を咲かせて夜遅くまで語り合っているスタッフもいます。今まで私が経験してきたスポーツでは同世代、同じ障害を持つ者の交流が多かったですが、京パラではひと味違う集まりになっています。

 京パラには二つの名物があります。その一つは、大会当日の昼ご飯のカレーライス。ご飯は地元の業者に頼みますが、カレーは前日から実行委員会で下ごしらえをして甘口、辛口を作っています(おかわりは自由です)。そしてもう一つの名物が、参加賞としてオリジナルTシャツを配っています。デザインは実行委員が考えて作成しています。

 5月初めに今年の開催に向けて実行委員会を開いて、大会を7月14日(日)に、ボランティア講習会を6月9日(日)に行うことに決めました。

 京パラは、昨年、一昨年と2年続けて台風、大雨の天候事情で開催できませんでした(自然は障害の有無に関係なく容赦してくれません)。今年こそはと、3年ぶりの開催に向けてスタートしました。ぜひ関心のある方のご連絡をお待ちしています。


▼参加者募集▼

第31回パラマウント・チャレンジ・カヌーin京都を7月14日に京都府京丹波町坂原の由良川で開催する。ファミリーカヌー講習会とカヌー講習会を午前と午後の部で行う。

【参加資格】障害者手帳(身体・療育・精神)を所持する人
【定員】30人
【参加費】3000円
【申し込み】所定の用紙で申し込む。

締め切りは6月14日。また、大会をサポートするボランティアも募集中。6月9日に京丹波町のカヌークラブハウスで講習会とカヌー体験を行う。ホームページから申し込み可。参加費2000円。
大会ホームページ(http://kyotopara.donburako.com/)。

【問い合わせ】
大会事務局、京都市南区吉祥院西定成町の市中部障害者地域生活支援センターらくなん内 090(1070)6044=午後8時〜11時。


写真 えむら・ひろゆき
1952年生まれ、京都市出身。
京都府立嵯峨野高卒。3歳の時に小児まひにかかり身体障害者(下肢機能障害)になる。京都市中部障害者地域生活支援センターらくなん嘱託。パラマウント・チャレンジ・カヌー京都実行委員長。66歳。