ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
ともに生きる

障害のある人の海釣り体験

安全に楽しく交流
アコウにチヌ・・・大歓声

ボランティアら支え20周年



 ハンディがあっても、安心して釣りを楽しみ交流を深めてもらう「みんなで海釣り-障害のある人の体験講座」(主催・京都新聞社会福祉事業団、神戸新聞厚生事業団)が9月9、10の両日、宮津市で開かれた。京都、兵庫、広島の3府県から障害のある人やその家族など約80人と、ボランティアスタッフ約130人が参加。会場の府立海洋高校桟橋は、澄んだ青空の下、大小の獲物が釣り上げられるたびに大きな歓声が上がった。

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「釣れたぞ」「逃げられた」…。にぎやかな声が弾んだ釣り会場
 講座は1998年に始まり、ことし20周年を迎えた。例年、ボランティア多数が同行。今回も海洋高の生徒約60人をはじめ、海釣りファンの団体や釣り具メーカーのスタッフらが加わった。

 初日の9日は、府立青少年海洋センター・マリーンピアで開講式があり、京都新聞社会福祉事業団の直野信之常務理事があいさつ。「インストラクターも付いています。アットホームな気持ちで楽しんでください」と励ました。夜は釣り教室が開かれ、参加者は釣り方や危険な魚の見分け方を学んだ。

 本番の10日は、夏が戻ったような絶好の釣り日和となった。会場の桟橋はアジやグレ、カワハギなど魚種が豊富で、釣りやすい環境。午前8時半、全員が救命胴衣姿でそろい一斉にさおを下すと、直後からアコウ、カサゴなどが次々に上がった。長男の克樹さん (11)ら家族3人で初参加した京都市西京区、平木康伸さん(44)は「高校の桟橋で釣れるなんてすばらしい。アコウを狙いたい」と話し、克樹さんが最初に釣ったベラに「よかったね」と目を細めた。

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お刺身何人分?大物のクロダイを上げて喜ぶ参加者
 開始1時間を過ぎるころには大物が現れ始め、?a大のクロダイ(チヌ)が上がった場所では、獲物を手にした釣り人の周りに写真撮影の輪ができた。大きいチヌがかかり、顔が見えたところで逃げられたという神戸市の山本直人さん(45)は、残念そう。「海釣りは障害者一人では危険ですが、ここなら安全。昨夜の講義で多くの人と懇親を深められてよかった」と気を取り直し、再び糸を垂らした。

 講座に先立って海洋高では、桟橋内に係留中の実習船「みずなぎ」(258d)を移動させるなど全面的に協力。そろいのTシャツを着た海洋高生徒は、京都府磯釣連合会の会員らとともに参加者に付き添い、釣り針に餌を付けたり釣った魚を網ですくうなどの介助に精を出した。冷たい飲み物を手押し車に乗せ、参加者に配って歩く女子生徒のグループもあった。

 長男貴裕さん(23)に付き添って来た長岡京市の荒木実千代さん(54)は「至れり尽くせりの準備がされ、ありがたい。釣れるまで汗だくで頑張る息子の姿を見てうれしくなりました」と、ほほ笑んだ。

 ことしは潮の流れが緩慢で全体の釣果は例年より少なめだったが、表彰式では獲物の計量と採寸結果に従い、上位入賞者に釣りざおなどの賞品が贈られた。初回講座から20年、欠かさずスタッフ参加している京都市西京区の相知康三さん(70)には、主催者から感謝状を贈り長年の労をねぎらった。

主な協力団体は次の通り。

【後援】宮津市、宮津市社会福祉協議会
【協力】日本釣振興会近畿地区支部・京都府支部、全日本釣り団体協議会、京都釣具商組合、京都府磯釣連合会、MFG、GFG、京都府漁協、京都久野病院
【協賛】アサヒフーズ、魚矢、がまかつ、東レ・モノフィラメント、マルキュー、マルゴ