ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
ともに生きる

京都新聞福祉活動支援助成(18/05/14)

■被害者支援学ぶ設備に
■若者自立へ多彩な企画


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購入した明るい会場でも見やすいプロジェクターを使った研修会(京都市上京区)
 京都と滋賀の地域福祉向上のために活動する福祉団体、施設を幅広く支援する「京都新聞福祉活動支援」事業の2017年度の助成先が、このほど決まり、34団体に総額620万円が贈られた。同福祉活動支援事業は、運営部門(助成額1件50万円まで)と設備部門(同100万円まで)の2部門で、17年度は71団体から申請があり、運営22団体設備12団体に助成した。外部委員5人が活動実績などをもとに慎重に審査し、選考した。助成を受けた団体のうち、2団体を紹介する。



34団体に総額620万円贈る


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外部講師を招いたヨガプログラムで気持ちよく体を動かす利用者たち(大津市)
 設備部門で助成を受けた公益社団法人京都犯罪被害者支援センター(京都市上京区)。16年に京都府北部地域の拠点として、福知山市にほくぶ相談室を開設。同センターと2拠点で、犯罪や事故などの被害者や遺族らをサポートし、精神的な苦痛を和らげ回復の手助けをする。性犯罪や殺人、傷害、少年事件など犯罪の種類はさまざまだ。支援者は、被害者の心情や支援の仕組み、刑事手続きや裁判の知識など多くのことを月例研修やロールプレイなどで学び、1年以上かけて知識やスキルを身につけていく。今回の助成では、京都市内で実施する研修を北部でも受講可能とするためにスカイプ回線を使用した合同研修会を実施するためのWEBカメラやプロジェクターなどの機器を購入。冨名腰由美子事務局長は「一朝一夕にはできない支援。自己流にならず、支援の一定のクオリティーを保つために、研修はとても大事」と話す。

 運営部門で助成を受けた一般社団法人セレンディップ(大津市)。18歳以上の生きづらさを抱えている若者らを対象に障害者自立支援法に基づいた生活訓練事業を行い、自立や就労につながる学びの場を提供している。現在は20代から30代を中心に7人が登録。掃除や調理などの生活スキルから、パソコン教室、農作業、面接練習などの就労に向けたプログラムを行っている。運営するにも潤沢な資金があるわけではなく、充実したプログラムを行うために、今回の助成金はパソコンやヨガ教室などで講師を招く際の講師代などに活用する。代表理事の小林勝さん(35)は「多彩なプログラムで、通うことや人と関わることに慣れ、自分なりの道はあるよ、ということを知ってもらえれば」と思いを語る。

 2017年度のその他の助成団体は次の通り。

【運営】
子育て支援 綾部展望の会(綾部市)
宇治おもちゃ病院(宇治市)
パーキンソン病支援センター(八幡市)
『くらしの応援隊』ボランティアの会(長岡京市)
大津夜まわりの会(大津市)
瀬田地域青年学級(同)
地域福祉サポーターとんかち(同)
鹿跳倶楽部(同)
京都府網膜色素変性症協会(京都市中京区)
京都光彩の会(同)
京都府避難者支援プラットフォーム(下京区)
ミンナソラノシタ(同)
和(同)
内部被曝から子どもを守る会・関西(左京区)
助けあいグループりぼん(東山区)
今熊野生活支援あしの会(同)
天才アートKYOTO東山・新道アトリエ(同)
障害者余暇支援 洛西クラブ(西京区)
ジョイント西京視覚障害者ボランティア(同)
うつくしま☆ふくしまin京都―避難者と支援者のネットワーク(伏見区)
さぽーと紡(同)

【設備】
まぐらゆるり(舞鶴市)
ワークセンター宇治作業所(宇治市)
京都府難聴者協会(城陽市)
就労継続支援B型事業所バスハウス(長岡京市)
Joint Joy(八幡市)
腹話術グループピノキオ(湖南市)
京都ピアノとうたの音楽ひろば(京都市北区)
京都YMCAこおろぎ(中京区)
中小企業家コンソーシアム京都(同)
京都難病支援パッショーネ(右京区)
神経内分泌腫瘍患者会しまうまサークル@関西(同)

(フリーライター・小坂綾子)