ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
広がる 地域の輪

シニア集う健康体操教室
多様な音楽に乗り、リズムよく(2013/09/03)

かめおか元気にし隊


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健康体操教室で新しい体操の練習をする「かめおか元気にし隊」のメンバー(京都学園大学体育館)

 お盆間近の8月8日。朝から亀岡市曽我部町にある京都学園大学の体育館に音楽が流れる。市民グループ「かめおか元気にし隊」が毎週木曜の午前8時から1時間、欠かさず開く健康体操教室だ。メンバーはシニアを中心に40代から80代まで。この日は30人が出席した。

 入会して3年目になる女性(81)は「近所の人に誘われて始めた。一日も休んでませんよ」と笑顔を見せ、滑らかな動きで音楽に付いていく。「妻が勧めたので」という男性(66)がいる。休憩時間、夫婦そろって汗を拭っている。大病後に医師から運動を勧められたのがきっかけと話す女性(77)は「難しくないからいいです。動いた後は体が軽いです」と、5年ほど通っている。

 グループ世話人の東田義敬さん(77)は「体育館使用料などの会費は必要ですが、出席を取ることもないし来たい人は誰でもくればいい。強制ではないから続くんじゃないですか」と言う。

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 グループは2007年10月に発足した。当時、亀岡市と京都学園大が官学協同で、市内のシニアを対象にウオーキングと体操による体力の維持について断続的に調査研究を実施していた。調査に協力した人から、「研究事業が終わっても運動を続けたい」という声が上がり、東田さんら有志が研究事業に携わっていた吉中康子教授に指導を依頼し、自主的に結成した。最初は10人余りだったが今は常時30〜40人が集まる。

 取り組む体操は、応用健康科学が専門で介護予防や体操に詳しい吉中教授のオリジナル。童謡メドレーからヒップホップまで多様な音楽に振り付けたリズム体操を、5、6曲組み合わせて構成している。生活習慣病や筋量減少の予防、持久力強化、脳トレーニングの動きなどが盛り込まれ、体操の「組曲」のよう。1年ごとに内容が変わり、メンバーは毎年新しい「組曲」で全身をくまなく動かしている。

 「1曲(4〜5分)で音を上げていた人も、数カ月経てばワンクール(約30分)の体操を無理なくこなされますね」と吉中教授。東田さんは「退職後は体を動かすことが減り、片足立ちでズボンをはく時なんかふらついてましたが、今は平気でバランスがとれる」と体操効果を語る。

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 自分たちの健康を目的に集まったグループだが、メンバーの活動が健康づくりの輪を徐々に広げ始めている。

 近所の人にちょっと勧めてみる人もいれば、一歩踏み出して、11年度から市民対象に始まった「介護予防サポーター養成講座」を受講し、シニアの健康づくりの手伝いをする人も出てきた。講座では、高齢になっても元気で自立した生活を送るための栄養の摂り方や口腔(こうくう)ケア、健康体操などを座学や実技で学ぶ。グループ内には17人の修了者がいて、東田さんもサポーターの一人。「元気な人が増えればいい。できる範囲で手伝おう」と、地域の老人クラブやサークルなどで体操や食生活について学んだことを伝え始めている。


かめおか元気にし隊
亀岡市曽我部町南条大谷1の1
京都学園大学・吉中康子研究室気付、TEL0771(29)2354