ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
広がる 地域の輪

亀岡市障害児者を守る協議会

誰もが主役に成人後も支援
細やかな配慮重ね多彩な経験(2016/12/13)


写真
新成人・新年を祝う会の打ち合わせをする協議会事務局役員ら(亀岡市内丸町・亀岡市総合すくしセンター内団体事務室)

 口丹地方に養護学校の設置を求める障害児・者の保護者らが集い「亀岡市障害児者を守る協議会」が発足。8年後の1978年、念願の丹波養護学校(現丹波支援学校)が開校された。同年には亀岡共同作業所(現かめおか作業所)も開所した。

 11月初旬、亀岡市内丸町の亀岡市総合福祉センターの一室では、協議会の事務局役員ら8人が来年1月15日に開く新成人・新年を祝う会について話し合っていた。市が開催する成人式には参加しづらい障害者にとって、会長の亀岡市千代川町の山内節子さん(61)は「祝う会は大人になったという自覚につながる」とし、障害者からは「支援学校を卒業してからの同窓会でもあり、楽しみ」との声が寄せられるという。祝う会の入場曲の選曲、ゲストの選定のほか、新成人の決意表明では代読してもらう場合があり、細やかな配慮が必要となる。山内会長は「一人一人が主役になるように」との思いを忘れない。

 協議会は70年に、人ほどの保護者でスタートした。現在、亀岡市を中心に周辺市町からの参加もあり、約280家族と作業所など7団体が会員になっている。活動では、会報や機関紙の発行に加え、年間事業や会員有志で行う部会活動などを通じて会員の親睦を図っている。年間事業では、日帰りのバスレクがある。今年3月にはバス2台で約70人が神戸市の神戸どうぶつ王国に出掛けた。車いすでも参加でき、雨天でも可能な訪問先を選定するなど、準備が大変だという。「外出することは、子どもにチャレンジの機会となる」「子どもの成長が感じられる」など保護者からの期待がある。

 部会活動の一つ、「よつばLand」は、動物園や水族館などに出掛ける体験会。市内にある京都学園大のボランティア研究会メンバー10人ほどが企画、運営している。障害児・者がいろいろな人と触れ合える機会を設けている。協議会として、さまざまな活動を行っており、事務局役員の亀岡市紺屋町の山内育子さん(48)は「子どもに障害があることを知り、悩んだが、協議会を通じて、育児への自信や勇気をもらえた」と活動に積極的に関わっている。

 協議会では、小中学校での支援の在り方など、亀岡市への要望も行っている。事務局役員の亀岡市吉川町の芝田文恵さん(50)は「災害時が不安」といい、障害児・者の避難場所の確保などを求めている。ただ、事務局ではメンバーの高齢化が課題となっている。山内会長は「保護者がいなくなった後の子どもたちをみなさん心配している。若い人たちに運営の中心になってもらいたい」と呼び掛けている。「いろんな人が集まることで、いろんな意見も聞ける。悩みを持った保護者らが相談でき、情報交換できる場となるように」と活動を続けている。

亀岡市障害児者を守る協議会
1970年発足。現在、会員は280家族と7団体。山内節子会長。2011年度京都新聞大賞福祉賞受賞。事務局は亀岡市内丸町の亀岡市総合福祉センター内団体事務室。