京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
|
●広がる 地域の輪 配食ボランティアサービス「あんずの会」必ず手渡し、笑顔受け取る
|
|
弁当を届ける配達班。玄関先でしばし会話が弾んだ(10月12日、京都市左京区) |
玄関で差し出された風呂敷包みに、奥から出てきた女性の顔が思わずほころんだ。「ありがとう。いつもおいしくいただいていますよ」。京都市左京区の吉田地区。毎月第2、第4木曜日は「あんずの会」による配食サービスの日だ。
風呂敷の中身は、できたての弁当。配食に参加している京都市立白河総合支援学校の生徒が手渡し、学校で制作した献立表を読み上げる。うなずいて聞く女性に、そばからエプロン姿の「あんずの会」メンバーが声をかけた。「お変わりないですか。インフルエンザ予防注射の申請は済んだ?」
配食当日の朝、あんずの会は白河総合支援学校の調理室にメンバーが集まり、約50食の弁当を作る。ご飯とおかずの盛り付けは、生徒たちとの共同作業。てきぱきとむだのない動きで仕上げ、生徒と教職員も加わって契約者宅を1戸ずつ歩いて配達する。特殊詐欺防止などの啓発で警察官が同行する日もある。
「ただのお弁当屋さんになってはだめよ」。あんずの会メンバーでケアマネジャーの資格も持つ山藤芳野さんは、いつも配達のメンバーに声をかける。「配食は、お年寄り一人一人と顔を合わせる仕事。必ず声をかけ、健康状態や身の周りの変化に目を配ってあげるのが私たちの役割ですから」
|
ずらりと並べられた弁当容器におかずを盛り付ける「あんずの会」メンバーと生徒たち(京都市立白河総合支援学校調理室) |