京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
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●広がる 地域の輪 公益社団法人「日本オストミー協会」京都府支部励まし合い、QOL向上目指す
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医師や専門看護師を招いて開く初心者向け相談会の準備を進める京都府支部のメンバー(14日、京都市伏見区・増田医科器械8階相談室)=写真は同支部提供 |
がんや障害が原因で腹壁に穴を開けて作る人工肛門や人工膀胱(ぼうこう)などの排せつ口は、ストーマと呼ばれる。ストーマを持つ人が「オストメイト」で、総数は国内20万人、京都府内4500人と推定される。
日本オストミー協会京都府支部は、府内のオストメイト約200人が参加。前身組織の時代からほぼ半世紀近く、会員の社会復帰やQOL(生活の質)向上に携わってきた。
「オストメイトになると、誰しも絶望や不安で落ち込みます。悩みを解消して希望をもって生きられるよう手助けするのが私たちの役割。定期開催している社会適応訓練講習会や初心者相談会を軸に結束を強めてきました」。京都府支部長の小田原俊夫(69)さんは、直腸がんでオストメイトになった一人。会員同士が、互いに励まし合う連帯の大切さを強調する。
オストメイトの日常は、ストーマの保護と排せつ処理に最も神経を使う。排せつ物は樹脂製の袋(パウチ)をストーマの周りにぴったり張り付けて受ける。技術の発達で、漏れや臭いの問題は解消されているが、外出先でのパウチ交換や腹部のお湯洗浄には不安がつきまとう。
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オストメイトを表す絵文字。公共の場で普及が図られている。 |