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春を訪ねて 今宮神社かいわいへ  (MAP 2006/04/04)

文・北浦加代子

今回は、静かな桜スポット「今宮神社かいわい」を訪ねてみました。


松屋藤兵衛の松風。
忘れられない味になりそう。

写真 「大徳寺前」でバスを降りるな否や目に飛び込んでくるのが、創業240年という和菓子の老舗、松屋藤兵衛。京都には『松風』をつくる店が各所にありますが、ここのは大徳寺納豆が入っていて、口にほおばると味噌と胡麻の香りが広がり、もっちりとした食感が忘れられない味わい。 お土産用にも、おすすめです。

のどかな境内で散歩を楽しむ。
枯山水の拝観も。

写真 「大徳寺」の標識に沿って北へ進むと、大徳寺納豆の専門店や高級お食事どころが軒を連ねます。
 さらに進むと、大徳寺総門前にアンティークグッズがディスプレイされた「新・古美術 白馬」という店を見つけ、中に入ることに。店内には藍染めの作務衣や食器が所狭しと並べられ、すべてがとてもリーズナブル。気さくな店主の帳さんの笑顔が印象的なお店でした。

写真  その後、総門から石畳が敷きつめられた境内へ。大徳寺は境内に20以上の塔頭寺院が点在する臨済宗大徳寺派の大本山。茶道と繋がりの深い寺で、千利休が切腹の原因となった金毛閣は有名です。ただ残念なことに、ほとんどが非公開で、龍源院(りょうげんいん)・高桐院(こうとういん)・大仙院(だいせんいん)・瑞峯院(ずいほういん)の4カ所のみが、通常一般公開されています。

 総門から西へ道なりに進むと、天文4年(1535)にキリシタン大名・大友宗麟が菩提寺として創建した「瑞峯院」に辿り着きます。「蓬莱山式庭園」や、七つの石を十字形に配した枯山水の「閑眠庭」もあり、表門と本堂(方丈)は室町時代の禅宗方丈建築の遺構をとどめ、ともに国の重要文化財に指定されています。

 住職の前田昌道さんは、快くお茶室に通してくださり「初夢」というお茶菓子や大徳寺納豆、お抹茶でもてなしてくださいました。「初夢」は小茄子を象った砂糖菓子で、一富士、二鷹、三茄子の通り、縁起のよいお菓子の一つ。また、竹と干支の犬が描かれた掛け軸は、笑いの一年が託されていることを聞き、「笑」という文字を掌に描きながら思わずにっこり。住職さんは、慌ただしく訪れた私に、季節を愛で、自然に感謝する心と、それを感じるゆとりを示唆してくれているかのよう。改めてお茶の世界の奥深さを実感したひとときでした。写真

レトロなカフェで身も心も大満足

 総門を出て北へ進むと、レトロな軒灯看板が目に付く「レモン館」が見えてきます。
 ここは、大正末期の元銀行を、オーナー自らが改築してオープンさせたカフェとか。ランチに「おまかせ弁当」1200円をいただき、大満足で店を後にしました。奥には庭を眺めながら食事ができる座敷もあるようです。写真

香ばしい匂いに包まれて。
身近な春を感じるひととき。

 今宮通りを西に進むと、あぶりもちで有名な「一文字屋」と「かざりや」の茶店が向かい合い、今宮神社の参道は、その香ばしい匂いに包まれます。
 今宮神社は平安遷都後、都に蔓延した疫病を鎮めるために朝廷が建てた社。 毎年4月の第2日曜日に行われる「やすらい祭」は、赤毛や黒毛の鬼を従えた行列が笛や太鼓に合わせて「やすらい花や」と囃しながら踊り、その傘の中に入れば、その一年の厄疫を免れると伝えられています。写真
 また春祭の先がけということもあり、この祭が晴れると京都の祭がすべて晴天に恵まれるともいわれているようです。

 そこからさらに西へ歩くと、桜並木が連なる今宮児童公園があり、私たちの目を楽しませてくれます。隣の幼稚園から聞こえるかわいい歌声を聞いていると、しばし時を忘れるかのよう。
 春の京都は意外にも、身近なところにあることを再認識する一日でした。

松屋藤兵衛
京都市北区大徳寺バス停前 TEL.075-492-2850 9:00〜18:00 木曜定休
■新・古美術 白馬〈東山・二年坂にもあります〉
京都市北区紫野門前町16 TEL.075-492-8080 11:00〜16:00 無休
■大徳寺塔頭 瑞峯院
京都市北区紫野大徳寺町81 TEL.075-491-1454 拝観料400円 9:00〜17:00
レモン館大徳寺店
京都市北区紫野上門前町61-1 TEL&FAX.075-495-2396 10:00〜18:00 月曜日定休
本家・根元 かざりや
京都市北区紫野今宮町96今宮神社東門南側  TEL.075-491-9402
10:00〜17:30 水曜日定休(但し水曜が1・15日の時は翌木曜が休)
今宮神社
京都府京都市北区紫野今宮町21 TEL.075-491-0082 9:00〜17:00 境内自由


上記はすべて2006.4.4時点での情報です。