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今回は江戸時代東海道五十三次の宿場町として栄えた「石部」を、車で訪ねてみました。
お弁当持参で、じゅらくの里の散策もよし、日帰り温泉でゆっくりお湯につかるもよし、
いい汗流しに出かけてみませんか!!　
※電車の場合は、JR石部駅発のコミュニティバスが便利。

歴史的情緒たっぷりの旧街道の町並み。

　清らかな野洲川と緑豊かな山々が美しい湖南市の西部に、石部という町があります。
　ここは江戸時代、東海道五十三次の宿場町として栄えたところで、最盛期には216軒の商家や62軒の旅籠が軒を連ねていたと伝えられています。朝、京都を発つと夕方このあたりに到着することから「京立ち石部泊まり」ともいわれてきたようです。
　昔の面影を多く残す旧道沿いから南端にある阿星山の麓には「湖南三山（こなんさんざん）」と書かれた旗が所々に目に付きます。これは、国宝の建造物を持つ古刹・天台宗の3つのお寺を総称して呼ばれたもので、「常楽寺（西寺）」、「長寿寺（東寺）」、「善水寺」があります。

長寿・常楽の理想郷　じゅらくの里。

　「常楽の里 あいさつ街道 夢街道」の看板に沿って、常楽寺から車で５分ほど走らせると、自然豊かな丘陵地を活かした4.5haもの広場が、訪れる人を温かく迎えてくれます。
　ここは、健康や福祉の情報発信の場として、また人々の交流の場として平成10年に誕生した「長寿・常楽の理想郷　じゅらくの里」。市民のための憩いの場として親しまれ、週末になると遠足や、お弁当持参の家族連れで賑わいます。


　じゅらくの里の頂には、レンガ造りの福祉パーク館があり、地域の人々が描いた絵画を展示したり、福祉ボランティア同士のための研究・交流サークル室（530円/h）などが設置され、市民の憩いの場として利用されています。

　また、パターゴルフが楽しめる芝生の美しい「健康増進広場」や、 木工体験ができる「木工の館」、陶芸体験ができる「土の館」なども隣接し、生涯学習の場としても活用されています。

かまど炊き御飯がいただける「森の駅」で、ランチタイム。

　福祉パーク館のすぐそばに、毎朝薪で火を起こし、釜で地元の山田米を炊くというお食事処「森の駅」が目に付きます。
　お店の隣に設置された大きなかまど炊房には、昔ながらのおくどさん（かまど）が置かれ、お料理の得意なお母さんたちが、お焦げのついたホクホク御飯を丼にしたり、おにぎりにしたりして販売しています。
　森の駅には地元の米や、お土産物も置かれ、近隣で働く人の食堂代わりとしても利用されているようです。おふくろの味はサイコーに美味しかったです。

珍しい樹形をした国の天然記念物を求めて。

　その後、「森の駅」の店内に飾られていた写真「国の天然記念物」の地を訪れようと、お母さんたちに道を尋ね、旧道沿いを東に向いて走ること約15分。目印の「みよし酒店」を右へ曲がり美松山の南東斜面に、一本の根から地表近くで放射線状に枝が分かれた樹形の松が200本以上自生しているのを発見しました。


　これは、うつくし松（アカマツの一種）と呼ばれ国の天然記念物に指定されています。このあたりの土質は砂が混じった赤粘土が多いために、このような形になったという説もあるようで、江戸時代から東海道五十三次沿いの名所として知られていたそうです。樹齢は約300年以上になるものもあるようです。

いい汗を流しに、十二坊温泉ゆららへ。
ファミリー浴室なら、寝たきりの人も楽しめます。

　うつくし松をさらに東へ進むと、大きな杉玉がぶら下がった酒蔵・北島酒造が飛び込んできます。創業1805年という歴史を感じさせる店内には、“お客様も当社も御代に栄えますように”との願いを込めてつくられた大吟醸「御代榮」が店頭を飾ります。これは鈴鹿山系から湧き出る伏水流と美味しい近江米と高度な技術と設備で、昭和63年に国土庁主催の全国鑑評会で金賞を受賞した由緒あるお酒だそうです。


　そしてそこから車で15分ほどのところに「湖南三山」のひとつ、善水寺が山の頂きにあり、さらに進むと目的地の「十二坊温泉ゆらら」に到着します。

　十二坊とは岩根山の通称で、かつて“肉体と精神の鍛錬の場”として僧侶が修行をした地としても知られ、人々の心のよりどころとなっていたそうです。

　そしてその岩根山中腹に、平成6年「十二坊温泉」の湧出を見たのがこの温泉のはじまりです。
　自然石を使った滝湯や寝湯を備える修験の湯と、露天風呂を完備した百伝（ももづて）の湯があり、神経痛や関節痛、慢性皮膚病などに効果があるといわれています。
　また、水着着用の歩行運動を目的とした温泉のバーデプールも完備し、緑豊かな風景を眺めながら、ゆったり無理なく運動させてくれる立ち寄り温泉です。