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爽やかな秋。近江商人発祥の地・五個荘散策。(07/10/02)

文・北浦加代子
屋敷

少しずつ秋めいてきた京都滋賀。
今回は、近江商人発祥の地で知られる
「てんびんの里・五個荘」を訪ねてみました。
MAPはこちらをご覧ください。


●てんびん棒をかつぐ姿が偲ばれる
金堂の町並み

近江商人といえば思い出すのが、“商いは人の道”をテーマにした映画「てんびんの詩」
小学校を卒業したばかりの主人公・近藤大作が、父親のいいつけで天秤棒をかついで行商に出ていくシーンが浮かんできます。3カ月もの間ひとつも売れず、とうとう泣き出してしまう大作。思い出すだけで目頭が熱くなる映画です。


生き活き館 「生き活き館」で周辺の地図をもらい(駐車無料・レンタル自転車も有り)、「金堂の町並み」に向かいます。

ここは、平成10年12月25日、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された由緒ある地。
近江商人たちは、商売が栄えても決して郷里を離れることなく金堂の本宅を守り、進んで社寺や公共のために出資したと伝えられています。

これが“売り手よし、買い手よし、世間よし”の精神である「三方よし」の由縁ですが、商取引は当事者のみならず、社会全体の幸福につながるものでなければならないことを後世に伝え、今も大切に育んでいるようです。

●ドラマや映画のロケ地を歩く

寺町の鯉通りに入ると立派な錦鯉が泳ぐ水路が流れ、往時の隆盛した姿を伝えています。

舟板塀 交差点から右手は「祭・馬場通り」、左手は「堂中通り」に分かれ、直進すると近江商人の屋敷を公開する「外村繁邸」「外村卯兵衛邸」「中江準五郎邸」が建ち並びます。
かいわいの屋敷のほとんどは琵琶湖を往来した丸子船などの廃材「舟板塀」で囲まれ、“質素倹約の象徴”や、“廃材(板塀)を用いた商家の方が資産と格式を備えている”などの説があるようで、この内と外とのアンバランスさに、近江商人の心意気が隠されているようです。

商家に入ると、一見地味なしつらいの中にも、家の材木や家具、照明など、こだわりをもったものが多いことに気づきます。


だるま時計 近江商人の屋敷 「外村繁邸」「外村卯兵衛邸」と見学させていただき、最後の「中江準五郎邸」では、重用の節句(熟年夫婦の健康長寿を願う)にちなんだ立派な雛人形が飾られていました。五個荘職員の皆さんが心を込めて創ったという秋の恵みが人形の周辺を取り巻き、とても楽しい雰囲気。人形師・東之湖(とうこ)氏の手による人形に、最近結婚した藤原紀香さんの十二単姿を重ねてしまったほど美しかったです。

また、奥の部屋では伝統ある五個荘の郷土人形「小幡でこ」も展示されています。

「中江準五郎邸」の管理人・河村文枝さんは、「五個荘は近江八幡とは違ってとても静かなため、映画やドラマのロケには最適ですね」と笑って答えてくれました。

雛人形 最近の五個荘では、仲間由紀恵のドラマ「エラいところに嫁いでしまった!」や、映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」ロケ地にもなっており、「中江準五郎邸」の玄関には「俺は、君のためにこそ死ににいく」の撮影風景の写真が飾られていました。
市民の方々もエキストラとして主演され、ロケ中は大いににぎわったと話されていました。

●のどかな風景に癒されて

どこからか元気な声が聞こえてくるので南へ進むと、広い五個荘小学校の運動場では子どもたちが元気いっぱいに運動会の練習をしており、柵の外からは、親御さんと思われる姿もチラホラ。思わず応援したくなるようなこどもたちの姿と、熱心に指導する先生の声に、ほほえましい光景を目にしました。

近くには、近江商人のことなら何でもわかるという「近江商人博物館」や、一風変わった外観の「観峰館」などもありました。観峰館は、近代中国の書画や、世界各国の文字資料、日本の教科書、アフリカ・オセアニアの民族文化に触れることが出来る博物館です。


とても静かで心落ち着く五個荘の町並み。
のんびりと“近江商人”に触れるのもよし、また、ドラマや映画のロケ地を訪ねるのもよしで、この秋ぜひ訪れてみてはいかがでしょう。五個荘はどこを撮っても絵になる風景ばかりです。


※10月27日(土)は、五個荘中央公園一帯で「てんびんの里・ふれあい広場2007」の地域イベントが開かれる予定です。詳細は、てんびんの里ふれあい広場実行委員会(東近江市五個荘支所 地域振興課 TEL.0748-48-3111)にお問い合せ下さい。

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