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梅の香りに誘われて「長浜盆梅展」へ。(08/02/26)

文と写真 北浦加代子
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春の到来を告げる梅の花。
今回は、梅の香りに誘われて
「長浜盆梅展」に行って来ました。
長浜は何度か訪れたことがありますが、
盆梅展を見るのは初めて。
風雪に絶えてこそ、可憐な花を咲かせる梅の木に
たくさんの“元気”をいただきました。

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※その他の滋賀県の梅名所リストはこちら


慶雲館

●明治時代の迎賓館「慶雲館」へ。

JR長浜駅に着くと、雪はまだ少し路肩に残ってはいるものの、あたりはすっかり春の気配。滋賀県の最高峰である白い伊吹山と青い空とのコントラストがとても美しい光景をつくりだしています。
長浜市は、豊臣秀吉によって建設された城下町。近世・近代を通じて宿場町とし、また市民が力を合わせてつくりあげた湖北の元気都市としても有名です。
駅のかいわいには、鉄道ファンが集まる「長浜鉄道スクエア」や、「長濱浪漫ビール」、「長浜城歴史博物館」などが点在しています。

長浜盆梅展の会場となる「慶雲館」は、明治時代の豪商・浅見又蔵氏が、明治天皇行幸の際に私財を投じて建てた迎賓館で、庭園は、近代造園の先覚者で平安神宮の神苑などを手がけた七代目小川治兵衛氏の作で国の名勝に指定されている由緒ある所。館の命名はご存じ伊藤博文氏と伝えられています。

※慶雲館は毎年4月から11月末まで一般公開されています。


●愛情込めて育てる梅の木。
期間中は盆梅管理人の顔も、ふくらむ。

盆梅

長浜盆梅展は、昭和27年に始まった梅の盆栽の展示会ですが、ここでは高さ3メートル近い巨木や樹齢400年を超すといわれる古木など他所では見られない銘木が展示され、遠方から訪れる人も少なくないようです。
取材当日は平日にもかかわらず、たくさんの観光客で賑わっていました。

展示される梅の木は、長浜市が保有する約300鉢から約90鉢をローテーションで展示するため、期間中は何度訪れても花を愛でることができるのが魅力。さらに、2月中旬から末にかけての「夜の盆梅」は幻想的で、ライトアップされた慶雲館の庭園とともに楽しむことができるそうです。

盆梅管理人の田中敏治さんは、10年ほど前から梅の世話をされており、管理には最新の注意を払っておられることを説明してくれました。
不老そして「梅は、幹が朽ちても、枝が折れても花を咲かせる生命力の強い植物。桜とちがって長い期間、私たちを楽しませてくれるのも魅力です」と話されていました。

盆梅展の会期が終わると、梅は館の隣の管理場に運ばれ、すぐに剪定が始まるそうです。剪定とは、咲き終わった花の芽を枝の元から切り落とす作業で、これをしないと実をつけてしまい、枝が痛むのだそうです。

その後、会場をぐるりとまわり、樹齢400年といわれる立派な「不老」(写真右)や、白と赤の花を咲かせる「おもいのまま」、あまい杏の香りが漂う「さざれ岩」、そして2006年の大河ドラマ「巧妙が辻」にちなんで名付けられた「千代の苔」などを見させていただきました。
エレベーターが設置された2階建ての館内には、お茶席やお土産物を販売する売店なども設けられていました。

田中さん 田中さんは、初回から出展する唯一の木「昇龍梅(しょうりゅうばい)」の前で、「寒い冬を乗り越えて新芽が出た時、一年間の苦労が実ります。感動の瞬間ですね」と笑顔で話され、私が「いろんな事を経験してこそ、強くなれますから人も同じなのかもしれませんね」とこぼすと、うなづきながら笑顔で応えてくれました。

梅の木は、誰でも気軽に育てることができるそうで、会場の出口付近では、小さな盆梅を買い求めるお客さんも見受けられました。毎年買いそろえられるお客さんから、育て方について相談を受けることも多いようです。


●長浜名物「のっぺいうどん」に舌つづみ。

もみじや その後、江戸時代の面影を残す古い街並み「黒壁スクエア」を散策し、昼食には黒壁ガラス館の斜め向かいで和の佇まいを魅せる「もみじや」さんで長浜名物「のっぺいうどん」(大阪のあんかけうどんと京都のしっぽくうどんがいっしょになった生姜風味のうどん)に舌つづみ。

あたたかい雰囲気の店内と、お出汁の風味が効いたその味わいは、忘れられない味になりそうです。


梅の花言葉は「気品」「澄んだ心」「高潔」。
可憐な花を咲かせる生命力の強い梅に
今回も、たくさんの感動をいただきました。


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