京滋のくつろぎスポットをご紹介します。京都滋賀にある素敵なスポットがあれば、ぜひ情報をお寄せ下さい。
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●実りの秋。自然の恵みに感謝して(09/10/20)文・写真 北浦加代子
京都は西の奥座敷、亀岡。 城下町でご利益めぐり
石垣のない外堀の内部には、丹波攻略の軍事拠点として明智光秀が築いた丹波亀山城跡が残っています。 ここは、天正10年(1582)6月1日の夜、日本史上最大の下克上「本能寺の変」が動き出したことで知られる地。1万3000もの兵を率いて明智光秀は京へ出陣し、本能寺の信長を討ったことは、あまりにも有名です。 お堀沿いには数多くの社寺が軒を連ねており、これは当時、攻めてくる敵に対して社寺の敷地に陣を張れるようにしたことがうかがえます。 厄除けの妙見山や書道上達の弘法さん、火除けの秋葉神社や福徳利益の大黒さんなど、風情漂う城下町で、ご利益をいただきながらの散策はいかがでしょう。 山里で、実りの秋をたっぷり堪能
道中には、収穫を終えた田園風景、イチョウやモミジで彩られた山々が連なり、のどかな山里の風景が広がっています。 湯の花温泉郷の手前には、京のお漬もん処「近為(きんため)」と書かれた看板があり、蔵のような建物の中に入ってみると…。 店頭には、店の名物・柚こぼしや、秋から冬にかけておいしくなるかぶの漬物・千枚漬や赤かぶ、すぐきなどの漬物が袋詰めされ、試食コーナーが設けられていました。 こぼうの辛味茶漬けや、しば漬けなどを口にほおばると、思わずごはんが欲しくなってくるほどのおいしさ。明治12年創業の老舗の味を、亀岡の工場でつまみ食いしたひとときでした。 この漬物は「ぶぶづけコース」として、京都市内にある町家の店舗でいただけるそうです。 天然の檜の香りに包まれて
無料駐車場で車を止め、大きく深呼吸しながら空を見上げると、そこには大きな檜(ひのき)があり、とてもよい香りが鼻をくすぐります。 しばらく天然の森林浴を楽しみ、無人ポストに拝観料300円を入れて奥へ進みます。 境内には、樹齢300年という梅の古木がどっしりと構え、モミジの木やサンシュユの木などが出迎えてくれます。 神蔵寺は『延暦9年(810)、恒武天皇代に伝教大師最澄が、比叡山寺(延暦寺根本中堂)を建立当時、大師が当国に来て建立し、朝日山神蔵寺として薬師如来を安置し、天台宗の一大道場』となっていたようです。 奥から顔を見せてくれた奥様は「紅葉はそろそろ終わりですね。寒い冬が来て早春になれば、梅の花やサンシュユでまた境内が華やかになりますよ」と教えてくれました。 境内の所々には、野に咲く花々が手作りのツル籠に生けられ、訪れる人をあたたかく迎えてくれているようです。 すべての自然に感謝するかのような優しい生け花に、心が洗われる思いがしました。 この、古寺は、西国薬師霊場第四十三番札所として、通称・佐伯薬師(佐伯のお薬師さん)、稗田野(ひえだの)薬師として親しまれているようです。 国道372号線を京都縦貫道路のある方向に少し戻ると、「丹波 大石酒造」と「丹波四季彩料理 宮本屋」が並び、先に酒蔵見学ができる酒の舘・大石酒造に立ち寄ります。 酒と書かれたのれんをくぐると、様々な新酒や、他では入手できない秘蔵のお酒、黒豆や黒米などが所狭しと並べられています。 奥には、大きな杉玉がぶらさがる本蔵があり、立て看板に「戦前から戦後にかけて清酒の仕込み蔵として使用した本造蔵」と書かれてありました。 その後、向かいに建つ「宮本屋」で、おすすめの「おばば弁当」と「松茸釜飯(季節限定)」をいただきました。 二段重ねのおばば弁当には、あっさりとした風味の南京や生麩、小魚の佃煮など彩り豊かなおかずが盛られ、炊きたての新米と松茸ごはんは、とてもおいしかったです。 また、たくさんの芸能人がよく訪れるようで、奥の座敷には数多くの女優やタレントのサイン色紙が並んでいました。 時代劇のロケ地にも足を伸ばして
秋の恵みを堪能した後は、紅葉で知られる龍潭寺(りょうたんじ)に向かいます。 |
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