お楽しみ情報
京滋のくつろぎスポットをご紹介します。京都滋賀にある素敵なスポットがあれば、ぜひ情報をお寄せ下さい。

(10/06/29)

文・写真 北浦加代子

鮮やかな彩りで人々を魅了させる
スイレン

湖面がまぶしくなる季節。
琵琶湖大橋から湖岸道路を南に進むと、
逆三角形をした烏丸半島が見え、
周囲には、琵琶湖の原風景といわれるヨシ原や
花蓮としては日本でも最大のスケールを誇るハスの群生地が
湖岸を埋めつくします。
今回は、その烏丸半島の東にある
草津市立水生植物公園みずの森を訪ねてみました。


人の心を虜(とりこ)にするスイレンの魅力


くさつ夢風車
アトリウムで大人気の熱帯性スイレン
‘紫式部’のミニミニ版

烏丸半島周辺には約13haにもおよぶ蓮の群生地があり、毎年盛夏の頃になると一眼レフを手にしたアマチュアカメラマンや花見客が、壮大な風景を一目見ようと訪れるスポットになっています。

そんな蓮が見渡せる「草津市立水生植物公園みずの森」に立ち寄ると、駐車場(無料)から高くそびえ立つ風車が目につきます。

これは、植物公園みずの森や公共施設に電力を供給している風力発電施設「くさつ夢風車」で、草津市のシンボルにもなっています。

みずの森のゲートをくぐると、コミュニティ広場には“水と人のふれあい”を表すシンボルモニュメントの噴水と、彩り豊かな花壇やハンギングバスケットが出迎えてくれます。

水生植物のテーマ館として建てられたという「ロータス館」に入ると、エントランスでは「スイレン展」(6/15-7/19)が開催されており、スイレンにまつわる切手や逸話などのパネルが展示されていました。

「当園では、140種類を越える日本最大級のコレクションがあり、この時期は、一年で最も数多くの種類のスイレンが見られます。池やコミュニティ広場、アトリウム(温室)など、園内のいたる所に咲いていますので、お楽しみください」とは園長の城山さん。

このスイレン展は、地元の人はもとより名古屋や大阪などの遠方から訪れるファンも多いようで、取材当日も多くの観光客でにぎわっていました。

園長の城山さんの話によると、スイレンと出会って以来、画家のモネではないけれど自宅の庭のすべてをスイレンで埋め尽くしてしまったというお客さんや、イギリスの世界遺産・英国王立キューガーデンにまで足を伸ばし、多品種のスイレン鑑賞に楽しみを求めるお客さん、さらには海外から特殊なスイレンを購入するなど、スイレンに魅了され、虜になった人が後を絶たないようです。


絵になる風景が広がる花影の池
シコシコとした食感の冷やしハスうどん

ロータス館内から「映像ホール」につながる通路の壁面には、かの有名なパリの印象派画家、クロード・オスカー・モネの壁画(パリ市のオランジェリー美術館から特別に提供されたオリジナル撮影フイルム使用のもの)が飾られており、モネが自ら設計した庭のこと、太鼓橋のこと、時刻や季節で変化する池の水や光、陰の影響でさまざまに見えるスイレンの色彩や反映を描きつづけたことなどが書かれていました。

目を見張るほどの鮮やかな彩り、
シャープなフォルムとみずみずしさ、時を経て花を咲かせ続ける生命力…。

私のように毎日でも眺めていたくなったら、1000円のパスポートを購入するとイイかもしれませんね。キャンパスに色鉛筆で絵を描いてみたり、絵はがきに絵と言葉をしたためて、夏のたよりを届けてみるのも素敵です。

ランチには、蓮の葉を粉にして練り込んだハスうどんをいただきました。トッピングに栗のような食感のハスの実がのせてあり、とてもおいしかったです。

みずの森では、フォトコンテスト作品展や植物画同好会の作品展のほか、季節にあわせたさまざまなイベントを企画しているとのことです。

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屋外のスイレンの池では
水中に生息する藻を取り除く光景も
八つ橋を渡ると満開の花菖蒲が。
これからの季節は半夏生も楽しめる
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スイレンは日中に花が開き、
午後になると閉じていく
モネの絵にでくるような庭園で、
ゆっくり散策も楽しめる
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庭園を眺めながら
お茶や軽食が楽しめるティーサロン
ひらひらと羽を回転させて舞落ちるサラの実
ここではサラノキも観察できる
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みずの森の丘から観た蓮の群生とヨシ原 ロータス館内にある温室では、スイレンを間近で観ることも

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