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京滋のくつろぎスポットをご紹介します。京都滋賀にある素敵なスポットがあれば、ぜひ情報をお寄せ下さい。
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文・写真 北浦加代子(11/10/04)
今回は、“買う暮らしから創る暮らし”をコンセプトに、 買う暮らしから、創る暮らしへ
「農業の役割は単に米をつくることだけじゃなく、山里の景観をつくったり、生き物のすみかになったり、人を結びつけたりと、いろんな役割があります」と話すのは「どっぽ村」の発起人。家も建てる農家(大戸洞舎=おどふらしゃ)の松本茂夫さんと、米も作る大工(エコワークス)の清水陽介さん。 どっぽ村では、生き方を模索する若者たちを受け入れ、月10万円のお給料を支払いながら農業のノウハウと大工仕事を身につける「どっぽ塾」を行っています。学校スタイルではなく、親方について修行する見習い工的な発想です。 清水さんは「どっぽ生を受け入れるようになってから、熟練の大工職人も元気になってきました。若い人に教えなきゃ、という気持ちが、そうさせているのかもしれません」と、“生き方を模索する若者たち”のためだけでないことを強調します。 虫の音を聴きながら
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手染めの糸。どんな織物に仕上がるかが楽しみ |
松本さんが2001年に設立した農業生産法人「大戸洞舎」では、21ヘクタールの耕作地に米はもちろん、そばや大豆、黒米などの雑穀や野菜が栽培されています。
「農産物をつくるだけでなく、それらをさらに発展させたソバ打ちや、ミソ作り、雑穀と豆のぜんざいなど販売したりもしています」と、松本さん。また家の敷地内にはセルフビルドしたというゲストハウスやピザ釜があり、交流会や収穫祭など、外から訪れる人とのふれあいの場として活躍しているようです。
また、どっぽ村の奥のクラフト工舎では陶芸家・猪股さんの教室兼工房「もへじ窯」や、松本さんの奥様・とみ子さんの染織紡工房「風待草(かぜまちぐさ)」が隣接。ここでは定期的にワークショップを開催し、ものづくりの楽しさが体感できるようになっています。
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とみ子さんお気に入りの風待草の縁側。朱色の花はマリーゴールド。緑の葉にかわいい花が咲くのは藍。 |
京都から嫁いで来られたとみ子さんは「自然の音と景色を眺めながら、糸を紡いだり、機織りをしているときが至福のとき」と、飼っている羊の毛刈りをし、紡いだ糸を染めて織るという、ゆっくりな時間を満喫しているようです。
しばらくは収穫の時期もあってできなかったけれど、これから工房のそばや山に咲く草花を摘んで糸を染めるつもり、となんだかとても楽しそう。縁側には藍の花が満開になっていました。
毎日、どっぽ生に農業や家づくりを教えながら、ご自身の仕事もこなされる松本さんと清水さん。
「昔から田舎の人たちは皆、生きるために知恵を絞り、自身の手を使って何でもつくってきました。ぼくらがやっていることは、あくまでも温故知新。先人の知恵を受け継ぎながら後につないでいるだけですよ」と清水さん。
家をつくり、農作物を育て、収穫して、仲間と共に食するという、この素朴な行為の繰り返しこそが、豊かな暮らしを作り上げる基盤なのかもしれません。
物を買う暮らしから、創る暮らしにシフトすることは、今の私たちにとっては簡単なことではないかもしれません。でも、少しでもそのことを意識し、必要な物を自らの手で創り上げていくことは、とても大切なことだと思います。買った物より自分の手で創った物の方が愛着がわき、大切にする心も芽生えますものね。
レストラン建築、ぜひ一度関わってみたいものです。
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大戸洞舎への目印。大きな銀杏の木 | 米も作る大工(エコワークス)の清水陽介さん |
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家も建てる農家(大戸洞舎)の松本茂夫さん |
エコワークスの工房。ここで家づくりの材料が加工される |
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収穫間近のソバ畑。 |
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どっぽ村にある陶芸教室「もへじ窯」。少し離れた場所に登り窯も持っている | どっぽ村の拠点。煙突下にある暖炉に火をともす日も近いよう |
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工房結のワークショップで創られた木製フレーム&ペーパーコード編みの椅子 | はじめての脱穀に取り組むどっぽ生 |
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藍で染めた作品たち | 彼岸花が美しいあぜ道 |
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太陽光で家を温めるパッシブソーラー付のエコハウスは清水さん作。リズミカルに配された特製木枠のペアガラス窓や雨水利用のタンクも魅力的 | 来春頃着工予定というレストランの敷地。さてさてどんな家づくりになるのか、期待が高まる |
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松本さんの家の前にある自家製のピザ釜。焼く前からいいにおいが漂ってきそう | 風待草かせ見る清水さんの工房「エコワークス」 |
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