お楽しみ情報
京滋のくつろぎスポットをご紹介します。京都滋賀にある素敵なスポットがあれば、ぜひ情報をお寄せ下さい。
(11/12/20)
文・写真 北浦加代子

貴船神社の南参道

2011年うさぎ年も最後の月になりました。
今回は、来年のえとにちなんだパワースポット、
貴船を訪ねてみました。

地図はこちらをご覧ください。
散策マップはこちら。

貴船の料理旅館では
貴船口駅から送迎をしてくれる所もあるので、
直接お問い合わせしてみてください。

 

絵馬発祥の貴船神社

貴船の奥地にたたずむ奥宮
絵馬の原型になった黒馬と白馬の銅像
清らかな水が流れる貴船川

京都の奥座敷・貴船神社は、鴨川の水源に当たることから水の神とされてきました。今から1600年ほど前、神武天皇の母・玉依姫命(たまよりひめのみこと)が水源を求め、黄船に乗って浪速津から淀川を経て鴨川をさかのぼり、現在の奥宮の地に、ほこらを建てて水神をまつったのが始まりと伝えられています。

叡山電車の貴船口駅から2.8キロほど歩いたところに、その奥宮はあります。
奥宮の本殿下には『龍穴』と呼ばれる伝説の穴があり、文久3年の改修時に大工が誤ってノミを落としてしまった際、たちまち竜巻のような突風が吹いてノミは戻り、その後大工は命を落としたという奇談があるそうです。

水の神様として、あがめられていた貴船神社は、日照りの時には黒馬(祈雨)を、長雨が続くと白馬(止雨)をと、生きた馬を献上し祈願されました。
しかし、度重なる祈願のため、時には生きた馬ではなく馬形の板に色をつけた板立馬を奉納したと伝えられ、このことが今の「絵馬」につながっているようです。



宮廷の歌人・和泉式部も祈願した縁結びの神様

また貴船神社は、古くから縁結びの神様としても知られており、本宮と奥宮の中間地点にある中宮(なかみや)には、こんな伝説が残っています。

昔、瓊々杵尊(ににぎのみこと)が磐長姫(いわながひめ)、木花開耶姫(このはなさくやひめ)姉妹のうち妹を娶られる時、姉妹の父は姉も共に奉ろうとなさいました。しかし、尊は木花開耶姫だけを召されたので、磐長姫は大いに恥じて「我長くここにありて縁結びの神として世のため人のために良縁を得させん」と言われてこの地にお鎮まりになりました。



先代の宮司さんが描いた龍神の絵馬
連理の杉

また宮廷の歌人・和泉式部も夫の心変わりに悩んで、お参りをしたエピソードがあり、

「物思へば沢の螢も我が身よりあくがれ出ずる玉かとぞ見る」(あれこれと思い悩んでここまで来ますと、螢が貴船川一面に飛んでいます。そのはかない光は、まるで自分の魂が体から抜け出て飛んでいるようでございます)

と歌に託して祈願すると、貴船の神様は

「奥山にたぎりておつる滝つせの玉散るばかり物な思ひそ」(しぶきを上げて飛び散る奥山の滝の水玉のように、そんなに思い悩みなさるなよ)

と、慰めの返歌をされ、その後夫婦仲が円満になったということです。



パワーあふれる長寿の樹木

貴船は、「気生嶺」「気生根」とも書かれるように、長寿の樹木が目につきます。結社と奥宮の間には、樹齢1000年の2本の杉の木があり、同じ根っこから寄り添うように伸びていることから、相生(相老)の杉と親しまれています。

さらに奥宮の境内には、杉と楓が合体した珍しい木があります。連理の杉と書かれた神木で、夫婦円満や男女の仲が親密になることから、手を合わせる人も多いようです。



個性的な作品が並ぶギャラリー&カフェ

神聖な空気の中で、たくさんのパワーを吸収した後は、窓際のカウンターで温かいドリンク(all500円)がいただける貴船ギャラリーに立ち寄ってみてはいかがでしょう。

ギャラリーには、オーナー自らセレクトした陶器やガラス細工、話題のパワーストーンが所狭しと並べられ、中でもギャラリーオリジナルチャームを両手で持つパワーベイビーのストラップは、とってもキュート。
来年は元旦から営業するとのことですので、お土産探しにチェックしてみては。

流しそうめんや川床で有名な貴船ですが、真っ白に雪化粧した冬の貴船もまたステキです。
今年「ミシュランガイド京都・大阪・神戸」に選ばれた旅館「右源太」や、温かい湯船につかって、くつろげる旅館もたくさんあるので、他府県からゲストを招いて名物の「ボタン鍋」でおもてなし、も喜ばれそうです。

ドリンクがいただける9席のカウンター 豆皿にもなる、かわいい龍の箸置き
誕生石やインスピレーションで好きな石を探してみては ギャラリーのチャームを両手で持つパワーベビー
貴船ギャラリー外観 かわいい龍の置物