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「現代アートの魔球」出版
大阪のアトリエ インカーブ(2010/06/15)

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 知的な障害のあるアーティスト27人がいるアトリエ インカーブ(大阪市)が、「アトリエ インカーブ 現代アートの魔球」=写真=を出版した。

 インカーブのクリエイティブディレクター今中博之さん監修、著者は今中さんと二人三脚でやってきたチーフディレクター神谷梢さんだ。

 今中さんは京都市出身。障害を抱えながら建築デザイナーとして活躍する一方、神谷さんらと「障害者アート」「アウトサイダー・アート」などと区分けされてきた障害のある人の作品を、現代アートとしてとらえるべきと主張し、日本や米国でインカーブのアーティスト作品を発信してきた。

 「平等」を旨とする「福祉」と対極にある現代アートの世界に同時にかかわり続け、悩みながらも道を切り開いてきたインカーブの軌跡が、神谷さんの目を通してリアルにつづられている。

 現代アートの重鎮によるフォーラムも収録され、「福祉」とは何か、「障害」とは何か、問い直しを迫る内容だ。創元社刊、1800円。