仏版画家、観瀾斎(かんらんさい)さん(64)=兵庫県丹波市=が「龍」と「へんろみち」をテーマに、南区の東寺食堂(じきどう)で作品展(京都新聞社会福祉事業団など後援)=写真=を開いており、観光客らが優しさをかもし出す作品に見入っている。
福知山市出身の観瀾斎さんは、独学で仏版画を習得、独自の作風が多くの人に親しまれている。東寺での展覧会は5年目となることから、節目として自分の信仰の原点ともいう龍をテーマにした。
迫力のなかに優しさも感じさせる墨彩画「珠龍」など、十数点の龍画を展示しており、初期の版画の大作「龍曼荼羅(縦180センチ、横340センチ)もある。また、「版画へんろみち」は四国八十八カ寺を描いたもので、会場には計約200点が並んでいる。
観瀾斎さんは「龍は繁栄をもたらすものとされ、世の中が少しでも良くなることを願って一気に描きました」という。会場には海外からの観光客らも訪れ、独自の仏版画の世界を興味深く味わっていた。11月25日まで。入場無料。